雨飾山(あまかざりやま) |
◆ 山行記録 |
山行概要 | ||
報告概要 | 妙高戸隠連山の西端に位置する雨飾山(1,963m)に行ってきました。 | |
山行日 | 2017年9月20日(水)~21日(木) | 雨飾山山頂にて |
天気 | 9月20日 曇り時々晴れ、微風 9月21日 曇りのち晴れ、微風 |
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企画 | 個人企画 | |
装備 | 5kg | |
同行者 | 単独行 | |
コース 概要 |
【第1日目】 八方の湯==白馬村==(千国街道)==小谷村==雨飾高原キャンプ場駐車場(車中泊) 【第2日目】 雨飾山登山口←→ブナ平←→荒菅沢←→笹平←→雨飾山 雨飾高原キャンプ場==雨飾荘==安曇野IC==八王子IC==自宅 |
行動記録 | |
【9/20(水)曇り、微風】 | |
八方の湯(13:30)==白馬村====小谷村==雨飾高原キャンプ場駐車場(15:30) | |
【9/21(木)曇りのち晴れ、微風】 | |
雨飾山登山口(6:15)--0:50--ブナ平(7:05,7:10)--0:35--荒菅沢(7:45)--1:15--笹平(9:00)--0:30--雨飾山石仏(9:30,9:35)--0:03--雨飾山山頂(9:38,10:45)--1:40--ブナ平(12:25)--1:30--登り口(12:50)--0:15--雨飾山登山口(13:05) 雨飾高原キャンプ場駐車場(13:20)==雨飾荘(13:30,14:30)==道の駅安曇野松川(16:30,17:00)==安曇野IC(17:30)==八王子IC(20:00)==自宅(21:00) |
行程図 | |||
国土地理院地図より作成 |
天気図 | |
【9/20(水)】 日の出 5:33, 日の入り 17:48 晴れ、24.4/16.3℃、湿度 56%、東 2m/s、降水量 0.0.mm 【9/21(木)】 日の出 5:34, 日の入り 17:46 晴れ、25.0/13.0℃、湿度 45%、北北東 4m/s、降水量 0.0.mm |
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Yahoo!天気情報 過去の天気より転載 @長野県(長野) |
◆ 山行資料 |
アプローチメモ | |||||
交通手段 |
・中央道 八王子IC→安曇野IC: ¥3,450(ETC休日割引) ・中央道 安曇野IC→八王子IC: ¥5,580(平日料金) 走行距離: 639.3km |
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温泉 |
・雨飾荘: 日帰り入浴 700円 |
◆ 日誌と写真 |
行動日誌 | |
北アルプスの唐松岳~五竜岳を無事制覇したので、ついでに近くの百名山である雨飾山に行くことにした。 | |
【9/20(水) 曇り、微風】 | |
五竜岳からロープウェイで下りて来て、タクシーを相乗りし八方の駐車場に戻ってきた。とりあえず温泉に行かねばならない。
タクシーの運ちゃんからもらった割引券がある「八方の湯」に行く。第3駐車場より近い。 温泉から上がってうどんを食べ、すぐ近くのコンビニで食料を買い込み、さっそく雨飾山登山口に向かう。 JR大糸線に沿って白馬村から小谷村へ向かう千国街道(国道148号線)は、緑の中の気持ちの良い道路である。 学生時代にきた岩岳スキー場や栂池スキー場のちょっと寂れた看板を目にすると、みんなでワイワイスキーを楽しんでいた頃のことを思い出す。 今では若者もあまりスキーにはいかないことを考えると時代の流れを感じさせる。緑の中の国道は通行する車もそう多くなく、車もスムーズに流れているが、意外とトラックが多かった。 やがてトンネルを抜けてすぐ信号機のある交差点が小谷温泉への入口となっている。標識に従って右折し、小谷温泉に向けどんどん山奥に入っていく。 山間の村を通り過ぎて民家もなくなり、山間の坂道を登っていくと、鄙びた小谷温泉に着く。この小谷温泉は武田信玄の隠し湯として知られ歴史が古い。 また大型の村営バスがここまで通っている。目指す雨飾高原キャンプ場はもう少し先であるが、車にめったに合わないのでだんだん心細くなる。 |
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広々とした雨飾高原キャンプ場駐車場 |
綺麗なトイレや自動販売機まである。 |
舗装道路の道を進むとやがて広い駐車場に着いた。ここが雨飾高原キャンプ場である。よく整備された駐車場には、休憩場や水洗トイレ、
普通の自動販売機のほか携帯トイレの自動販売機まで設置されている。車から降りると駐車場の上にロッジがあり、おじさんが店番していた。
キャンプ場とはいえ平日のせいか客は誰もおらず、駐車しても大丈夫かと尋ねたところ、料金は不要、4時になれば俺もここを閉めてふもとに帰ると言っていた。
駐車しているのは、私の車の他、1台のみ。そのうちもう1台、そして遅れてもう1台とやってきた。
そのうち2人組のカップル登山客が山から下りてきて最初に駐車していた車に乗り込んで帰っていった。 こちらは何もすることもなく、コンビニ弁当を食べたら山行の疲れなのか、そうそうに寝てしまった。今晩は車中泊。 |
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満天の星空 |
左の写真で写っている星座 |
早く寝てしまったので、夜中に目を覚ましトイレに行く途中、空を見上げれば満点の星、思わずスマホカメラで撮影。でもやっぱり何も映っていなかった。 それでアプリの星座で確認。明日はきっと晴れるであろう。天気予報でも晴れると言っている。 | |
【9/21(木) 曇りのち晴れ、微風】 | |
5時過ぎに目を覚まし、車から外を見るとどんよりした曇り空。雨は降っていないもののなんだか気が重くなる。
天気予報では晴れと言っていたはずなのにがっくり。駐車場には明け方の暗いうちにやってきたのか数台に増えていた。 まず昨晩から駐車していたおじさんが出発。次に女性2人のパーティが出発。その次に私が出発、時刻は6時を過ぎていた。 隣に駐車している軽のワンボックスのおっちゃんはまだ就寝中のようであった。 |
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雨飾山登山口 |
道標2/11ポイントからは本格的な登り |
登山口からしばらくは川添いの道なのか木道もあり、平坦である。途中、先に出た女性が小川の橋で立ち止まっているので、何をしているのか尋ねたら川に魚がいるとのこと。
イワナのようであった。 1/11と記した道標が出て来て、ここは山頂まで400m毎に道標がある。しばらくして2/11と記載された道標に出くわす。 意外と短いと思ったが、ここから本格的な山道で結構登っていく。道標3/11まで少々時間がかかり、次は4/11だと樹林帯の中をたんたんと登っていくとやや平らで開けたところに出た。 ブナ平である。そこで、木に腰を下ろしたおじさんとちょっと離れて単独行の女性が休んでいた。こちらも休憩し少々話をする。 このおじさん、今年70歳ということで、それまで沢とか道のない山ばかり行ってきて、もう歳なのでこれからはこのような普通の山道での山行にするとこともなげに言う。 こちらは普通の山道でも年齢との戦いを強いらているのに、やはり地元の山男なのだろうと勝手に想像する。女性にはさすが年齢は聞かなかったが、40~50代であろうと推察する。 |
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ブナ平 |
岩場とはしご |
ブナ平から単独行の女性と抜きつ抜かれつ、ガスに包まれた登山道をたんたんと登っていく。荒管沢からさらに岩が多くなり、ガレ場の登り。
樹林帯は抜けたが周りの景色はまったく見えず、ひたすら足元を見ながら道標の数字が上がっていくことだけを楽しみとして登っていく。 やっとのことで稜線に出て笹平に着いたが、ガスガスでなにも見えず。やはり日本海に近いので雲がかかりやすいのか、となかばあきらめながらも平坦になった笹の中の道を進む。 |
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やっと笹平に到着 |
道標10/11ポイント、山頂はもうすぐ |
笹平の道標10/11ポイントから山頂へ最後の急登を終えようやく山頂らしきところに着いた。やや広い場所に石仏が並んでいる。当然景色は何も見えず。
そのうち例の女性も登ってきてお互い山頂なのかどうか戸惑っていると霧の中から登山客が現れ、山頂は向こう側だよと教えてくれた。
30mほど移動するとそこには確かに「雨飾山」の道標が立っていた。石仏があるのは北峰、ここが本当の山頂の南峰。 これでやっと百名山をひとつ制覇したことで達成感を覚えたが、やはりまわりはガスに包まれ何も見えない。仕方なく残っていたパンとコーヒーで簡単な食事をとる。 そうしているとぼちぼちと登山客が登ってきて狭い山頂もにぎやかになってくる。そうこうしているうちにまず北峰のピークがガスの中から突然見えるようになり、 そのうち麓の景色もガスの合間から見えだし、どんどん霧が晴れるではないですか。山頂から雲の切れ間に雄大な景色が広がっている。 笹平の方面を望むとなんとあの有名は「奴奈川姫」の顔が現れる。 |
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やっと山頂らしきところに到着。石仏が並んでいるだけ |
ガスが取れてきて見えました女神の顔 |
雲は日本から流れてくるが確実に少なくなってきて、もう完全に青空が望める。なんと劇的な瞬間であろうか。しばらく写真を撮りまくる。雲が流れる風景もダイナミックで気持ちが良い。 | |
後立山連邦は残念ながら雲に覆われている |
絵になりますね |
今回登った唐松岳・五竜岳の後立山連峰は雲に覆われていて残念ながら山名までは確認できなかったが、糸魚川方面でも低いながらも急峻な山が望める。 | |
糸魚川方面、日本海が見える |
笹平から雨飾山を振り返る |
山頂には1時間以上も居ただろうか。単独行の女性と話していると山梨県の方で、なかなか長期の休みが取れなく主に近場の山に行っているとのこと。
それで山梨百名山は後2~3座残すのみとのこと。山梨百名山といっても八ヶ岳や南アルプスもあり結構きつい山のあるのでは、
と尋ねるとなんと南アルプスの鋸山ともうひとつだけを残しているとのこと。そ鋸山と言えば南アルプスの甲斐駒ヶ岳から続く難所でまず一般登山者は行かない。
彼女によれば、一般者でも登れるルートがあるらしいとのこと。ここまで登山道ではで少々遅れてついてきたのでてっきり普通のおばさんかと思っていたが、
なんと屈強な山女であったとは。また駐車場で隣に駐車していたおじさんは、軽のワンボックスの主であるがその車のナンバーが「富士3776」。
山梨出身の女性が同じ県民かと思って親しく話しかけていたが、本人曰く、八王子の人であった。「富士」のナンバー取得について、いろいろ詳しく解説していただいた。どうでもいいけど。 さて、素晴らしい山頂からの景色を堪能していたが、本日中に東京に帰らなければならない身、もっとゆっくりしたい気もしたがやむなく下山する。 |
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荒管沢から布団菱 |
サラシナショウマ |
帰りは下山だけなので楽であるが、結構な傾斜のあるところを登っていたことを改めて知る。途中、荒管沢から有名な布団菱が望めた。 最後の木道では、両側に鮮やかな花が咲き誇っており、太陽の光を浴びてお花畑の中を歩いていると幸せな気分にさせられる。最近、高山植物の小さな花にも目がいくようになってきた。 これも年齢を重ね、あらゆる生き物に感謝する心が芽生えてきたせいかもしれない。 | |
木道の傍らにはきれいな花が咲きほこる |
雨飾高原キャンプ場駐車場に帰ってきました |
駐車場に帰ってきて、小屋の前に登山靴を洗う水場もあり、靴の泥を落としてさっそく温泉に向かう。 隣のおじさんから露天風呂があるよ、と聞かされていたが、すぐ近くの「雨飾荘」に立ち寄った。平日のせいか、山荘には客は誰もおらず、風呂場は独り占め。 露天風呂にひとり湯船につかりながら、青い空と緑の木々を眺めているとほんとに時間がゆっくり流れている。 風呂からあがり、さっそく「蕎麦」でもいただこうかと山荘の主人に尋ねたら残念ながら昼食時間は終了。 しかたなくノンアルコールビールと残っていたコンビニおにぎりだけの昼食となった。 さて、ここから東京の自宅までの距離を考えるとぼやぼやしてられない。高速道路は安曇野ICまで行かないと入れないが、やはり腹が減ってきてので我慢できず途中の道の駅で昼食をとった。 高速道路は平日のせいかまったく渋滞もなく自宅までスムーズに帰れた。休日と平日で高速道路はこうも違うのかまざまざ実感した。 |
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感想 | |
山頂に祭壇を祭り雨乞いをしたという由来が伝えられている雨飾山。また糸魚川の漁師たちが海に出たときの目標となっていたそうだ。
後立山連邦がまじかに望めることを期待したが、残念ながら雲がかかっていた。でも、登りはガスの中であきらめてかけていたところ、
山頂でドラマチックに晴れわたる瞬間に立ちあえたことは誠にラッキーであった。やはり山には青空と緑と太陽がなくてはならない。 また今回雨飾荘の日帰り入浴もたったひとりの温泉を楽しんだ。なおここから120m先には本当の露天風呂があるが、今回は時間がないのでパスした。 時間があれば、そこに立ち寄り緑の中の温泉を楽しめたのかも知れない。 山はまだ紅葉のシーズンにはちょっと早い感じであったが、もう2~3週間すれば紅葉がきれいだろうなという気がした。 |