荒川三山・赤石岳
◆ 山行記録
山行概要
報告概要 南アルプスの中心地である荒川三山と赤石岳に行ってきました。
山行日 2013年8月9日(金)~ 12日(月)
荒川三山より赤石岳
天気 8/ 9(金)晴れ、無風、@椹島
8/10(土)晴れ、無風、@千枚小屋
8/11(日)晴れ、無風、@赤石山荘
8/12(月)晴れ、無風、@椹島
コース
概要
椹島--千枚小屋--東岳(悪沢岳)--荒川中岳--赤石岳--赤石小屋--椹島
装備 約12kg [テント泊]
単独行 単独行
企画 個人企画
行動記録
【8/9(金)晴れ、無風、32℃@東京】
自宅(6:30)==横浜青葉IC(07:00)==新静岡IC(09:00)==1:00==峠(10:00)==畑薙第一ダム駐車場(11:10)
畑薙第一ダム駐車場(12:00)==1:00==椹島ロッジ(13:00)(標高 1120m)
運転時間:約4時間  バス乗車時間:約1時間  有料道路料金:3,300円
就寝(20:00)
【8/10(土)晴れ、無風、@椹島】
起床(4:30)
椹島ロッジ(05:33)--0:17--登り口(05:50)--0:47-- 鉄塔(06:37,06:56)--0:20--小石下(07:16,07:37) --1:09--清水平(08:46,08:58)--0:58--見晴台(09:56)--0:46--休憩(10:40,10:50)--0:33--標柱(駒鳥池)(11:23,11:30) --0:47--千枚小屋(12:17)(標高 2600m)
歩行時間: 6時間35分、 登り:1500m
就寝(20:00)
【8/11(日)晴れ、無風】
起床(3:50)
千枚小屋(04:38)--0:45--千枚岳2.880m(05:23,05:30)--0:55--丸山3.032m(06:25,06:30) --0:26--東 岳(悪沢岳)3.141m(06:56,07:20)--0:57--中 岳3.083m(08:17,08:20) --0:20--前岳3.068m(08:40,08:55)--0:55--荒川小屋2.610m(09:50,10:20)--0:40--標識(大聖寺平)2.720m(11:00) --1:00--小赤石岳3.081m(12:00,12:06)--0:25--コル(12:31,12:38)--0:16--赤石岳3.120m(12:54,12:59) --0:14--コル(13:13,13:30)--0:37--北沢源頭2.750m(14:07,14:10)--1:00-- 富士見平2.720m(15:17,15:24) --0:30--赤石小屋2.540m(15:54)
歩行時間 11時間15分
就寝(21:00)
【8/12(月)晴れ、無風】
起床(4:00)
赤石小屋(05:35)--2:15--標識(06:44,06:50)--0:52--P.1405(07:42,07:50)--登山口(08:25)--椹島ロッジ(08:35)
椹島ロッジ(10:30)==1:00==畑薙ダム駐車場(11:30)==白樺荘(温泉)==新静岡SA(15:30)==新静岡IC(15:35)==横浜町田IC(19:00)==自宅(19:30)
歩行時間:3時間、 下り:1450m、 バス乗車時間: 1時間、 運転時間:約6時間
行程図
天気図
【8/9(金)】日の出 05:02 日の入り 18:42 晴れ, 34.2/26.5℃, 66%, ENE 4m/s, 0.0mm
  
【8/10(土)】日の出 05:02 日の入り 18:41 晴れ, 33.8/27.3℃, 64%, SSE 2m/s, 0.0mm
  
【8/11(日)】日の出 05:03 日の入り 18:40, 晴れ, 34.6/27.7℃, 58%, S 3m/s, 0.0mm
  
Yahoo!天気情報 過去の天気より転載 @静岡(中部)
◆ 山行資料
山行情報
アプローチ ・新東名高速 新静岡ICより国道27号線、油島から国道27号線で井川、そこから国道60号線にて畑薙第1ダムへ
 畑薙第1ダムからは東海フォレストの送迎バスを利用し椹島へ。
 新静岡ICから畑薙第1ダムへは約3時間、  畑薙第1ダムから東海フォレスト送迎バスで椹島へは約1時間、料金:3,000円 (ただし小屋宿泊料金となる)
テントサイト ・椹島ロッジ テント場
 設営数 50張り 幕営料 1000円 水場あり 水洗トイレあり
 連絡先 椹島ロッジ 0547-46-4717
・千枚小屋 テント場
 設営数 30張り 幕営料 600円 水場あり トイレあり
 連絡先 千枚小屋 0547-46-4717
山小屋 ・椹島ロッジ  1泊2食付料金 8,000円 夕食 1,700円、朝食 800円
        予約 必要なし シャワー入浴(9:00~13:00) 500円
        連絡先 0547-46-4717
・千枚小屋   1泊2食付料金 8,000円 素泊り料金 5,000円(寝具なし4,500円)
        連絡先:0547-46-4717
・荒川中岳避難小屋 素泊り料金 5,000円(寝具なし4,500円)軽食のみ提供
          予約 必要なし
          連絡先 0547-46-4717
・赤石岳避難小屋  素泊り料金 5,000円(寝具なし4,500円)軽食のみ提供
          予約 必要なし
          連絡先 0547-46-4717
・赤石小屋     1泊2食付料金 8,000円 素泊り料金 5,000円(寝具なし4,500円)
          予約 必要なし
          連絡先 0547-46-4717
駐車場 ・畑薙第1ダムの約1.6km下流、約150~200台。送迎バスはこの駐車場前から発着
温泉 赤石温泉白樺荘
 東海フォレストの登山者用駐車場から井川方面に戻り一つ目のトンネルを抜け直ぐ左に。
 静岡市営の温泉施設で泉質は単純硫黄泉掛け流し。露天風呂から茶臼岳が望める。食事可。
口坂本温泉
行動日誌
【8/9(金)晴れ、無風】
 畑薙第一ダム手前の東海フォレストが管理する駐車場にマイカーを駐車し同社の送迎バスにて登山基地でもある椹島に到着。

畑薙第一ダムにある切符売り場(登山届も提出)

椹島のサイトでさっそくテントを立てる

椹島ロッジ管理棟(衛星アンテナが見える)

芝生のきれいな椹島テント場
 早めに自宅を出発し、東名高速も渋滞もなく新静岡ICまでスムーズに走る。ICから井川まで特に口坂本温泉に通ずる道路は狭く対向車があるとすれ違いに神経を使う。 ヘッドライト点灯は必須。井川からは比較的きれいな道でほどなく畑薙第1ダムの駐車場に着く。途中ヒッチハイカーの若者を乗せる。 話によれば長崎からひとりでヒッチハイクしながら山を登っているとのことで、百名山は2年間ですでに制覇したとのこと。 またヤマケイに投稿したとかで、いったいなんの仕事してんの、と思ったが詮索はやめといた。
 椹島は南アルプスの登山基地といったところでロッジの他、広い芝生のテント場にはベンチやテーブルもある。 管理人からヘリコプターの基地になっているので飛ばされないよう端の方に張って下さいとのことであった。 その日はテント泊まりであるがロッジでは風呂も入れるというし晩御飯も頼めるというので、それまでのんびりテント場やベンチで昼寝したりぶらぶらした。 林間からの心地よい風で気持ち良い。風呂場は少々狭くちょっと登山客が多くごった返ししていたが、ほどなく備え付けのシャンプーやボディソープで身体を洗うことができ、湯船に浸かって十分休養が出来た。
 夕食(1,700円)は山小屋とは思えないくらいかなり豪華でヒッチハイクの兄ちゃんとおいしくいただいた。
【8/10(土)晴れ、無風】
 4:30に起床、テントを片付けて朝飯はコンビニおにぎりで済ませ、5:30頃に椹島を出発した。 二軒小屋に続く林道に出て少し北方向へ進み、滝見橋の左たもとにある登山口から千枚小屋を目指して登り始めた。

滝見橋のたもとにある登山口

鉄塔下(P.1437)
 最初は沢沿いの道をたどるが小さな吊り橋をわたると尾根への上りとなる。 朝が早いせいかあまり苦にならない。ほどなく鉄塔が現れそこで最初の休憩。

岩頭見晴

突然林道

昔木材を運んだ金馬道跡の登山道

駒鳥池
 展望の効かない樹林帯の登りが続くが、岩頭でやっと周囲の山が望める。その岩頭からちょっと下ると突然林道が現れる。 ここまでずっと林道でもこれそうだが、登山道の箇所以外には立ち入り禁止の看板あり。また樹林帯の尾根沿いの道を上り小石下で2回目の休憩。 その後も尾根沿いであまり急な上りではなくあまり疲れもなく水場に到着。そこで椹島を朝6時に出発したという単独行の方と一緒に休憩。 見晴台は通り過ぎたあたりから上りはきつくなる。尾根をそのまま直登している感じで途中昔の金馬道と説明した看板があり、このあたりから徐々に疲れがたまってくる。 その金馬道でひたすら汗を流していると上の方から駆け下りてくる青年がいて、それがなんとヒッチハイクで知り合った若者であった。 すでに荒川三山を登ってきたとのことで、山頂は天気も良く素晴らしかったと言って走り去って行った。
 こちらは駒鳥池まではと休憩を我慢して汗をかくが、頭では「僕はコースタイムの3分の1で登る!」というあの青年の声がこだましていた。 結局このあたりが駒鳥池だろうというところで休憩したが、後でその場所は駒鳥池のちょっと手前であった。 その後少々バテ気味になって、登山道の両脇が草木が多くなってきたところでやっと千枚小屋に到着した。
 目標の12時には間に合わなかったが、コースタイム6時間35分のところ6時間44分ということで10分はテント担いで登ってきたのでまけてください。

やっと千枚小屋に到着

千枚小屋のサイト
 千枚小屋に着くとさっそくビールで乾杯。その後テントを張ってゆっくり昼食を取る。
 千枚小屋は建て替えたばかりなのかこぎれいで新しく、小屋の前のテーブル席から富士山が望めるとのことであるが、着いた時にはすでに午後の雲が出てきて叶わなかった。
 12時過ぎと早く着いたので昼食後はテントで昼寝。 山に来る楽しみの一つとして自然の中でゆっくり音楽を聞くというのがあるが、今回いろんなジャンルの曲を録音してきたが、お昼寝ではJohn Denverを聴いた。 これは、1974年8月26日 Los Angels Unversal Anphitheaterでのライブ録音である。Johnが若い頃土木技術者で働いていた頃、仕事を終えた夜にLong Beachの海岸でギターや歌の練習していたとのこと。 そのことを思い出して、このような形でLos Angelsに帰ってきてうれしいと彼が素直に喜んでいる雰囲気が出ていて、いわば凱旋コンサートという趣である。 久しぶりにJohn Denverの澄んだ透き通る声を聴いて自分の若い頃を思い出した。
 夜は初めて持ってきた山用食料であるマルタイラーメンやアルファ米で夕食をとった。
【8/11(日)快晴、無風】
 二日目はいよいよ荒川三山、赤石縦走なので早めに3:50に起床、朝飯は途中で摂ることとし、4:40頃ヘッドランプを点けて千枚小屋を出発した。天気は快晴、暑くなりそうだ。

千枚小屋の夜明け(遠くに富士山)

千枚岳への上りでご来光

朝日を受けた赤石岳

今日も快晴を約束する夜明け

千枚岳にて

悪沢岳への稜線
 まずは小屋裏のお花畑を登りマンノー沢ノ頭への分岐を過ぎて千枚岳の頂上へ。途中ご来光となり朝焼けに浮かび上がる富士山の姿が認められる。 千枚岳に到着すると南アルプスの北部の山々、また中央アルプスや北アルプスなど360度のパノラマでここから延びる行く手である雄大な稜線が望める。 ただ意外と風が強い。

丸山

丸山から悪沢岳への稜線

悪沢岳

悪沢岳から中岳への稜線
 千枚岳から丸山、荒川東岳(悪沢岳)、中岳、前岳の稜線は快調に飛ばす。
 丸山を過ぎると岩がゴツゴツした荒川東岳が現れる。やはり深田久弥のいうように悪沢岳という名前がふさわしい。 悪沢岳から中岳や前岳、それに赤石の雄大な稜線が望める。

中岳避難小屋

荒川中岳

荒川前岳

荒川前岳から赤岳への稜線

ダダ広い荒川前岳頂上

荒川前岳から荒川小屋へ(中央に小さく見える)
 荒川前岳は手前の分岐でザックをデポして前岳山頂をピストンする人もいるが面倒なのでザックを担いだまま前岳に登る。 前岳の西側は崩壊している。前岳から塩見岳への稜線が続く。前岳手前の分岐から今度は南東斜面にあるお花畑を下り荒川小屋に至る。 この斜面のお花畑から観た赤石岳の雄姿はもっとも定番のスナップなのではないでしょうか。

荒川小屋

長いトラバース道

大聖寺平

大聖寺平から荒川三山
 荒川小屋から大聖寺平までのなだらかなトラバース道で南アルプスの雄大な自然の中に浸るというか、縦走の醍醐味を味わえる。 まさに、John Denverの曲にあるMother Nature's sonになった気分にさせられる。

小赤石岳の方から歩いてきた路を振り返る。

小赤石岳山頂

赤石岳

小赤石岳の稜線
 平らな大聖寺平から小赤石岳まではちょっとした急登で、今までの稜線歩きで疲れた足にはちょっとキツイ登りとなった。
 小赤石でいよいよ赤石岳の頂上が近くに迫ってきて、最後の上りに備えて休憩しほどなく赤石小屋への下り分岐に到着。 そこにザックを置いて赤石岳をピストンする。赤石から今日歩いてきた稜線を振り返るとともに、反対側には赤石避難小屋がすぐ近くに見える。 その向こうには百名山の聖岳に続く稜線が望める。

太平洋高気圧の雲

稜線からの下り
 赤石岳山頂から戻って分岐に到着したのが13時過ぎ、後は下るだけということで夏の太陽を浴びて少々のんびりすることとした。
 分岐からいよいよ稜線とはお別れ、ひたすらラクダの背と呼ばれる尾根の南側をトラバースして下る。

富士見平より下山した稜線を望む

富士見平より富士山方向

やっと赤石小屋

赤石小屋の素泊まり小屋
 下りということで軽く考えていたが、樹林帯に入ると北沢源頭の水場まで急でガレ道、木製の階段とか結構神経を使うし疲れる。 富士見平まではこれまでの疲れもあり意外と時間がかかる。やっと富士見平につき赤石小屋を眼下に望んで、やっと林の中の緩やかな登山道を下ってなんとか4時前には赤石小屋に到着した。
 乗合バスの乗車券は1回は必ず山小屋に泊まらなければ帰りのバスに乗れないということなので、赤石小屋では素泊まりとした。 素泊小屋は母屋とは離れたところに別棟として立っており寝床しかないが、幸い1畳分のスペースを与えられ、快適に過ごすことが出来た。
 今晩が最後ということで、持ってきた食料でうまそうなやつを選んで赤石岳や荒川三山の稜線を見ながら夕食をとった。 それにしても今日の工程、コースタイムで9時間45分のところ、朝4時40分に出発して赤石小屋着16時で約11時間強の工程であった。
【8/12(月)晴、無風】
 昨日無事荒川三山、赤石岳縦走をこなし、今日は椹島まで下るだけ。

朝日を浴びる赤石岳

朝日を浴びる赤石岳

やっと椹島林道に到着

持参した山の道具一式(食料は除く)
 今日は椹島まで下るだけなので、ゆっくり朝日を浴びた赤石岳、荒川三山の稜線を見ながら朝食をとる。椹島の登山口まで途中2回休憩したが8時25分に到着した。 コースタイムでは3時間35分とあるが、3時間で下山したことになる。
 椹島では10:30までのバスまで時間があるので、スポーツドリンクで喉を潤しテントを干したりして時間をつぶす。 ロッジでシャワーも浴びることが出来るが、とにかく早く温泉に入って汗を流すことにした。 畑薙ダム駐車場で車に戻り、白樺温泉に直行したが、同じバスに乗り合わした登山客で風呂場はごった返し、そこは歯磨き、髭剃りして時間をずらして入浴したので、ゆっくりと茶臼岳が望める露天風呂を満喫した。 風呂上りにノンアルコールビールとともに飯を食って、さて東京まで運転運転。
感想
 初めての単独行で初めてのテント泊まり山行。もっともワンゲル時代は布製のテントで飯盒すいさんであったが。 今回購入した軽量のハイテックテントと濡れても寝れるというハイテックシュラフだったのでザックの重量は多分10kg強程度。 昔とは比べものにならないくらい軽い。でもテント泊まりということで、食料とか水とか準備ではいろいろ気を使った。 おかげでストックを忘れてしまったがまあ何とかコースタイムに近い時間で山行が出来た。
 幸い天気に恵まれたことがラッキーであったが、テント泊まりだと山小屋の混雑を気にせず、2人用のテントで快適に過ごすことが出来た。
 また南アルプスは北アルプスと違って本当に山の好きな連中が来ているという感じがするし、雄大な山塊で自然の中に浸ることが出来た。
 とにかく百名山を2つも制覇したし、実りのある充実した満足のいく山行であった。

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