唐松岳・五竜岳
◆ 山行記録
山行概要
報告概要 北アルプスの唐松岳(2,696m)から五竜岳(2,814m)の縦走をしてきました。
山行日 2017年9月18日(月)~20日(水)
五竜岳山頂にて
天気 9月18日 曇りのち晴れ、微風
9月19日 晴れ、微風
9月20日 曇り時々晴れ、微風
企画 個人企画
装備 7kg
同行者 単独行
コース
概要
【第1日目】
自宅→八王子IC→安曇野IC→八方池第3駐車場(車中泊)
【第2日目】
八方駅==八方池山荘→石神井ケルン→八方ケルン→第3ケルン→丸山ケルン→唐松岳頂上山荘→唐松岳→唐松岳頂上山荘→牛の首→五竜山荘(小屋泊)
【第3日目】
五竜山荘→五竜岳→五竜山荘→遠見尾根→地蔵の頭→アルプス平駅==とおみ駅
白馬五竜駅==八方第3駐車場

行動記録
【9/18(月)晴れ、微風】
自宅(9:00)==八王子IC(10:00)==諏訪SA(11::30,12:30)==安曇野IC(13:30)==八方第3駐車場(14:45)
【9/19(火)曇り、微風】
八方駅(8:10)***八方池山荘(9:10)--0:25--八方池(9:35,9:45)--0:20--丸山ケルン(11:05)--0:50--唐松岳頂上山荘(11:55) --0:20--唐松岳(12:13,12:20)--0:15--唐松岳頂上山荘(12:35,13:00)--0:15--牛首通過(13:15)--0:15--岩場(13:30)--1:00--道標(14:30)--0:45--五竜山荘(15:15)
【9/20(水)曇り、微風】
五竜山荘(5:40)--1:05--五竜岳(6:45,6:50)--0:55--五竜山荘(7:44,8:15)--0:05--白岳(8:20)--1:25--大遠見山(9:45,9:20)--1:00--中遠見山(10:20)--0:20--小遠見山(10:40)--0:07--二ノ背髪(10:47)--0:10--一ノ背髪(10:57)--0:12--見返り坂(11:09)--0:13--地蔵ノ頭(11:22)--0:18--アルプス平(11:40,11:50)***とおみ駅(12:00,12:30)==0:30==八方第3駐車場(13:00)

行程図

カシミールより作成

天気図
【9/18(月)】 日の出 5:32, 日の入り 17:51  晴れ、26.3/19.8℃、湿度 62%、東北東 7m/s、降水量 0.0.mm
   
【9/19(火)】 日の出 5:32, 日の入り 17:49  晴れ、27.4/15.1℃、湿度 55%、北 4m/s、降水量 0.0.mm
   
【9/20(水)】 日の出 5:33, 日の入り 17:48  晴れ、24.4/16.3℃、湿度 56%、東 2m/s、降水量 0.0.mm
   
Yahoo!天気情報 過去の天気より転載 @長野県(長野)

◆ 山行資料
アプローチメモ
交通手段 ・中央道  八王子IC→安曇野IC:  ¥3,450(ETC休日割引)
・中央道  安曇野IC→八王子IC:  ¥5,580(平日料金)
      走行距離: 639.3km
山小屋 五竜山荘:  8,700円(夕食付)
温泉 八方の湯:  800円(割引 700円)

◆ 日誌と写真
行動日誌
 8月は南アルプス、聖岳・光岳制覇の感激に慕っていたが、9月になると中旬に祝日(敬老の日)が土日が重なり3連休となっているうえ、まだ取得していない3日間の夏休みを合わせると6日間の長い休暇となる。 そこでやはり百名山ハンターとしては、まだ残っている山に目を向けざるを得ない。
 信州伊那谷に住んでいる友人とは以前から南アルプスの塩見岳を計画していた。南アルプスは聖岳、光岳を制覇したので残っているのはこの塩見岳だけなので少々気にかかる。 しかしアプローチがちょっと長く、どうしてもく1泊か2泊して百名山をひとつというのは、ちょっと長い休暇にしてはもったいない気がした。 そこで、目を北アルプスに転じると、まだ征服していないのは五竜岳だけが残っている。また近くには雨飾山というあまり知られていない百名山もある。 五竜岳は唐松岳から登るルートが一般的で、ゴンドラやリフトを使って手軽に登れるという誠に文明の力を利用することが出来る。 百名山ハンターとしては、この辺は躊躇するところであるが、ビジネスマンである身で日程に余裕がない者には文明の力があるのであれば、利用することに越したことはない。 田中陽気ではないのだ。それでいいのだ。また昨年双耳峰の鹿島槍ヶ岳に登頂した際、鹿島槍ヶ岳南峰から北峰、キレット、五竜岳などまったく見れなかったことから気になっていた。
 ということで、北アルプス百名山の未踏峰、五竜岳を目指すこととし、ついでに雨飾山も狙うことにした。
 さてこのような計画を立てていたところ、なんと台風が日本に近づいてきて、ちょうど連休中に上陸との予報。 台風ではまったく山に行くことができないが、連休はだめでも後半の夏休みには台風一過ということで、唯一のチャンスかも知れないということで、計画実行することとした。 なお3連休の山小屋の混雑を考えるとテント泊もありかな、と思ったが、9月中旬となると夜の寒さに耐えられないのではないか、また連休を外すと山小屋も空いていることかもしれないと思い、山小屋利用で行くこととした。
【9月18日(月) 曇り、微風】
 台風18号は9月17日に九州南部に上陸、西日本を通過して本州の日本海沿岸を北上、18日には足早に北海道に達して熱帯低気圧となっていった。 結局日本の3連休を台無しにしてしまった台風18号であるが、こちらは19日には台風一過となることを期待して18日を移動日として決行することとした。
 18日は自宅を出る時は雨は降っていないもののどんよりとした曇り空であったが、中央高速を走る頃になってだんだん青空が広がってきた。
 諏訪SAでゆっくり昼食を取って安曇野ICで高速を降りて、ひたすら北に向かう。昨年鹿島槍が岳に来た時の信濃大町を通り越して木崎湖、青木湖を横目に見ながら北上すると白馬村は近い。
 午後のまだ陽が高いうちに白馬に着き、しばらく時間をもてあそぶ。白馬には学生時代からよく来たことがあるが、その後はまったく来たことがない。 その間、長野での冬のオリンピックがあり、その名残のジャンプ競技場や大糸線の白馬駅などを見て回った。駅前にはお洒落な山の店「パタゴニア」もあるが、町全体は少々うら寂しい感じも漂っていた。 連休の最後の日ということもあって観光客もあまり見かけない。
 天気は気持ちよく晴れているが、後立山連峰の稜線は厚い雲に覆われている。

八方池第3駐車場

駐車場から後立山連峰を望む
 広い駐車場でトイレのそばに駐車し、コンビニ弁当で簡単な夕食を済まし、明日に備えて早々に寝ることとした。
【9月19日(火) 晴れ時々曇り、微風】
 ゴンドラは朝の8時からしか運転しないので、朝はゆっくりである。トイレで歯を磨いた後、コンビニに行って朝食を調達しゆっくり車の中で食べる。 駐車場は昨晩より若干車が増えたが、やはり平日のせいかまばらである。
 昼食を済ませ、ゴンドラ駅に行くとどこから湧いてきたのか結構な登山客がすでに列をなしている。ゴンドラ駅前の駐車場にいた人か、どこかの宿に泊まっていたのか、やはり有名な観光地で、天気が良いと平日でも人が来るのであろう。私もそのうちの一人ではあるが。。。
 並んで切符を買って、ゴンドラは2~3人を人を乗せたら次々と発車していく。やはり文明の力、ゴンドラはゲレンデに沿ってどんどん高度を上げていく。 ゴンドラの鉄塔が高く、少々高度感を感じてくるが、対向の山がきれいに見え、また眼下にはなんとゲレンデに牛が戯れている。 確かに広いゲレンデを牛の放牧に使うとは、スイスアルプスのようでいい発想と感心した。
 ゴンドラから次に4人乗りのリフトに乗り換えると、このリフト、地面すれすれに登っていく。 途中に長野オリンピックの滑走出発点の標識があり、こんなところから弾丸スピードであの狭い八方尾根の麓まで滑降するにはちょっと狭すぎる。 八方尾根はとにかくコースが狭くて角度がきついとの印象を持っていたので、学生時代はとなりの岩岳や栂池がもっぱら我々のゲレンデであった。 よくもまあ、こんな狭いところで冬季オリンピックが出来たことに感心する。こんな想いにふけりながら、リフトをさらに乗りついでやっと終点、第1ケルンのある八方池山荘に到着した。

八方ゴンドラリフトを待つ行列

リフト終点の八方池山荘より望む白馬槍ヶ岳、白馬山連峰
 リフトをおりると大勢の登山客が出発の準備をしている。天気は快晴、白馬槍や白馬山の稜線もばっちり望める。大勢の登山客とともに整備された稜線の登山道を登っていく。 右に白馬連峰、左に鹿島槍ヶ岳を望みながら石神井ケルン、トイレ小屋のある第2ケルンを過ぎて、八方ケルンに到着すると、すぐ下に八方池が見える。
 コースから少々外れるがせっかくのいい天気なので立ち寄ると大きなカメラを持った写真家が3~4名が池のほとりのテラスを陣取っている。 そうか八方池に移る白馬三山を狙っていると知るとこちらもスマホカメラでさっそく同じようにシャッターを切る。それが下の写真である。

八方池より白馬三山
 どこかのポスターで見たおなじみの写真が撮れた。テラスを陣取っているおじさん曰く、「この場所は5回来たが晴れたのは2回だけ、それも今日は風もなく最高よ。」とおっしゃっていた。 始めてきてこのようなプロみたいな写真が取れ、誠にラッキーである。またここまではハイキング姿で来れるよう整備されていて、さすが観光地としても有名な八方尾根である。 確かにスニーカーでちょっとした山ガール風の女性と抜きつ抜かれつしていた。さらに稜線沿いの登山道には「この先は登山装備が必要云々」という標識が恭しく建てられている。 ただここまで来ているのはほとんどは登山客であり、ここで引き返る観光客はあまりいなかった。

第3ケルンからは山道に

丸山ケルンより新潟方面を望む
 第3ケルンに近づくにつれて、不帰嶮がぐっと迫ってくる。いよいよ登山という意識が生じてくる。ここから不思議なことにちょっとしたダケカンバの樹林帯に入る。 急な登りはないが、だんだん岩の多い道となり、するどい斜面に木道で補強した箇所をトラバースすると急に唐松岳頂上山荘が近くに現れて、なんか拍子抜けするような登りであった。
 さっそくザックを小屋にデポして空荷で唐松岳を目指す。晴天なので唐松岳山頂に続く道が見える。ほんの20分ほどの距離ではあるが、すぐにでも行けそうな気がする。 しかしやはりちょっとしんどかった。

唐松岳頂上山荘より唐松岳

唐松岳より剣岳を望む
 山頂からはあの劒岳、立山、それに槍ヶ岳までつづく稜線、南には五竜、それに双耳峰の鹿島槍ヶ岳、北は不帰劔、白馬槍、白馬と続く白い稜線、ほんとに眺めは最高であった。 今宵の宿である五竜岳にはまだまだ遠い。
 山頂から戻って小屋の前で昼食をとる。その間、五竜岳方面に向かう登山客はあまりいない様子、またヘルメット姿の登山客がほとんどである。 昭文社の山と高原地図でも!マークはないし、そんなに危険なはずではないが少々不安になる。 ネット記事で、注意という看板があるところはマジでヤバイとか、また一番やばい箇所は鎖はあるが足場が谷底に向かって傾いている、とかいう記事を思い出した。 天気もいいし風もそんなにないので、ここまで来たら五竜岳に行かねばならないと覚悟する。ストックをしまい、手袋をはめていよいよ牛首にとっかかる。

唐松岳より不帰ノ嶮方面を望む

唐松岳より唐松山荘、牛首、大黒岳など五竜岳への稜線
 まずすぐに鎖が出てきて登るというよりも下る感じでトラバース区間が多い。 前の渋滞が続く。 ヘルメット姿の4人組が意外と遅い。 ヘルメットの下の顔を見るとちょっと私よりお年を召されたおばさんである。このような女性3人に男性一人がリードしている様子。 こういう組み合わせでは、男性も苦労するな、とふと思ってします。
 最後に鎖もなにもないところを5mほど3点確保で登っていくのであるが、そこがもっとも緊張したところ。岩角がするどく手が痛い。 その箇所を過ぎると後はハイ松地帯でそんなに高度感も感じない。 最後はだらだらとした斜面をあえぎあえぎ登ってやっと五竜山荘に到着した。
 山荘で宿泊の手続きをするが、最初は自炊するつもりであったが、料金的にあまり変わらないので夕食付にした。ただ夕食はただのカレーで、疲れていたせいかあまり食欲が湧かなかった。 またこの程度のカレーであれば、好みのもので自炊した方が良かったと思った。
【9月20日(水) 曇りのち雨、微風】
 翌朝起きてみると風が強い。雨は降っていないが小屋はガスに包まれているようである。物置みたいなところが自炊する場所であるが、とにかくカップラーメンで朝飯を済ます。
 今日は五竜岳に登るが後は下山するだけなので、こういう天候だとどうも朝早く出かける気にならない。他の登山客から少々遅れて小屋の外にでると案外見晴らしは良かったが、風が強い。
 意を決して五竜山頂に向かう。ここも鎖、はしごがあることは事前に分かっていたので、慎重に登っていく。 ただやはり人気の百名山、同じくらいのペースで女性2人と男性の3人のパーティと抜きつ抜かれつ。 この歳になるともう岩場でスリルを味わうという気も起らないし、またバランスも悪くなったので、恐怖心も沸いてくる。ただこういう中年の女性も登っているのだから、妙に自身が湧く。

五竜山荘より五竜岳を望む

五竜岳山頂はあの先
 とにかく風が強い。また冷たい。手袋をしていないので手がかじかんでくる。耳も痛くなる。岩場の影で風を避けるとほっとする。 鎖やはしごもちょっとあったが、それより風がない方がほっとする。そのうちだんだん風は弱まってきたのか、山頂に着くころにはあまり気にならなくなる。 曇っているが太陽が出て暖かくなったせいかもしれない。
 狭い岩場の山頂で周りの山並みを確認する。劔、鹿島槍、それに遠くの方には槍ヶ岳も見える。ただ昨日の唐松岳山頂からほぼ同じ山を見ているので、天気がすっきりしない分、あまり感激はなかった。ただただ百名山の五竜岳を征服したことに満足を覚えた。
 五竜岳から鹿島槍ヶ岳は鋭い稜線が続いており、五竜山荘でとなりで寝ていた中年男性は、このキレットを通って鹿島槍ヶ岳に行くと言っていたので、ちょっと気になる。 確かにここからキレットに向かう人はあまりいない。無事を祈る。

岩場の峰を通って五竜岳山頂へ

五竜岳から鹿島槍ヶ岳
 山頂での写真撮影を終え、さっそく下山する。下山では風も弱まっていて、山荘までの道もはっきりみえているのでのんびり下る。  その途中、急いで下山する人に追い抜かれた。

五竜山荘を望みながら下山

五竜山荘に戻ってくる
 五竜山荘に戻ってコンロでコーヒーを沸かして飲んでいると、小屋から足早に登っていく人がいる。 五竜岳で行動を共にしたおじさん、おばさんパーティによれば、なにか女性が岩で骨折したとのことらしい。 それで小屋には幸い救助隊員が居て、先ほど登っていたのは救助隊員ということらしい。それで下山途中、抜かれたのはその連絡であったのかと思われる。 ヘルメットをかぶった女性ということで、昨日牛首の岩場で追い越した、男性1人と女性3人のあの4人パーティのうちの独りかなと思われる。 救助隊が負ぶって下山するのか、それにしても人間を背負うというのは重たいだろうな、などとテーブルでおじさん、おばさんパーティと雑談して、ぼちぼち遠見尾根を下山することとした。

五竜山荘裏手にある白岳より五竜岳

遠見尾根を下っていると紅葉に出くわす
 五竜山荘からいったん白岳に登る。ここからの眺めも五竜山荘と五竜岳が見えて絵になる。
 白岳からはずっと下りになるが、鎖の標識があったのでストックをしまい注意して下る。危険はないがかなり急な坂を下っていく。 どんどん下っていくうちに、五竜岳、それに鹿島槍ヶ岳に続く北尾根の荒々しい岸壁があらわになってくる。

遠見尾根をずいぶん下ってきました

五竜岳~鹿島槍ヶ岳間の険しい稜線

P.2172付近より荒々しい五竜岳を仰ぐ
 西遠見山を過ぎたあたりから樹林帯の山道になり、急に開けた場所に出る。そこから振り返るとまさしく五竜岳が荒々しく聳えている。 ここでの写真、山ガールがちょうど入って一番絵になる風景となった。

救助ヘリが五竜岳山頂にめがけて飛んでいく

救助ヘリが山頂付近でホバリング
 それから山道を下っていると突然ヘリの音が聞こえる。小屋への荷物運搬かと思いきや、どうやら五竜岳に向かっている。そのうち五竜岳山頂付近でホバリングしているではないですか。 人命救助のヘリと思うが、おそらくあのパーティの女性だろうと思う。腕を骨折したとか言っていたが、五竜岳、確かに腕が使えなければ下りては来れないであろう。 それにしてもあんな高所でヘリでの人命救助は命がけに違いない。おそらく救助された者、ヘリに救出されたら救助隊員に叱られているのであろう。

中遠見山より

小遠見山より白馬村を望む
 この遠見尾根、大遠見山を越えて、中遠見山、小遠見山と続くが意外と長い。最初、五竜岳だけを制覇するつもりで計画していてロープウェイもあるので簡単に行けると思っていたが、この遠見尾根を登るのはちょっと辛い。 やはり八方尾根、唐松岳コースが楽である。
 小遠見山からはハイキングコースなのか、道もすっかり整備されている。地蔵ノ頭が見えだしたら、もうそこは観光地、地蔵ノ頭の大きなケルンの前で普通の観光客姿のご夫婦が佇んでいた。 そういえば地蔵さんがいるというよりも大きなケルンはおそらく山岳遭難者を祭っているような感じがした。

地蔵ノ頭を過ぎるとリフトが見えてきた

テレキャビンで白馬五竜スキー場ゲレンデを下る
 地蔵ノ頭のすぐ下にリフト乗り場があり、500円とあったがリフトの兄ちゃんがもう少し先に行けばテレキャビン乗り場があるよ、このリフトに乗るとその乗り場には少々登らないといけないよ、と親切に教えてくれる。 リフトに乗るのはいいが、下りてまた登ると聞くと、やはりここはそのまま下って直接テレキャビン乗り場に向かうこととした。
 テレキャビン乗り場のアルプス平に着いたのはまだ12時前であった。平日のせいか観光客も2~3組といったところか、駅前のお花畑を楽しんでいる。 こちらは早く町に下りて温泉でも入ってうまい飯でも食いたいので、さっそくテレキャビンに乗る。大きなキャビンにたった一人。すぐに麓の「とおみ」というゲレンデのふもとにあたる街に着く。 ただ誰もおらず広い館内も閑散としている。で、ここから我が車を駐車している八方第3駐車場まで帰らなければならない。 バスはなさそうだし、ここからJRの駅まで歩いて白馬に行く手もあるが、JRもどの程度の頻度で来てくれるか、タクシーを乗るしかないとの覚悟でいたが、タクシー乗り場に行く途中、同じく山姿の若い兄ちゃんが「白馬まで行くんですか?」と声をかけてくれた。ラッキーである。
 さっそくふたりでタクシーに乗り込み、八方駐車場までいくこととした。3,000円近くかかるところが1,200円ですんだ。 タクシーの運ちゃん、この夏、それにこの9月の3連休、天候がさっぱりで山小屋は売上さっぱりだな、とか言っていた。 確かに稼ぎ時の夏休み、連休にこう雨にたたられると小屋の経営にとって最悪であろう。 そういうタクシーの運ちゃんは、というと平地は連休でペンションとか来てしまって外で歩けないのでタクシーを使うので案外客がついたとのこと。それはそれは結構なことで。
感想
 台風18号、発生してから沖縄付近まで例年通りのやってきたが、それ以降、九州に上陸するまで、ぐっとスピードが遅くなり、17日(日)になってやっと吸収に上陸、それから3連休の間、日本列島に雨を降らせながら過ぎ去っていくという誠に貴重な3連休の日本中の行楽シーズンを台無しにしてしまった台風であった。 KMTの100回記念山行が16日(土)~17日(日)に日光近辺のロッジで計画されていて、これを企画したTさんとしては出来る限り台風上陸を遅らせることを念じていたとのこと。 その甲斐あってなんとか雨は降らずに盛大にロッジで100回記念パーティが敢行できたとのことであった。
 こちらは6連休のうち前半に2日はだめになったが、18日から21日までの休みの間、まずまずの天気で山旅には最適であった。
 五竜岳については、東京からで1泊で来れるっていうような宣伝があったし、リフトでアプローチも簡単な印象を持っていたが、こうして下りてくるとやはりそれなりのアルプスの山だということを自覚した。
 岩場も鎖はあるものの手を使って3点確保しないと危ない箇所がある。ヘリ救助を目にし中高年登山の事故について考えさせられる。 山に来る登山者には山ガールも増えているもののますます高齢化しているのではなかろうか。今後の山行に警鐘を鳴らす山行でもあった。
 これで北アルプスの百名山で残すは上高地の焼岳となった。焼岳は噴煙を上げている火山の山であるが、苦手な岩山ではないので、いつか上高地に泊まってゆっくり登ってみたい。

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