八甲田山(1585m) |
◆ 山行記録 |
山行概要 | ||
報告概要 | 東北の百名山である八甲田山に行ってきました。 | |
山行日 | 2020年9月21日 | 八甲田山 |
天気 | 9/21 曇りのち晴れ | |
企画 | 個人企画 | |
装備 | 5-6kg | |
同行者 | 単独行 | |
コース 概要 |
酸ヶ湯温泉→地獄湯ノ沢→仙人岱→八甲田大岳→宮様分岐→上毛無岱展望所→城ヶ倉分岐→ 酸ヶ湯温泉 |
行動記録 | |
【9/21(月) 曇りのち晴れ】 | |
東横イン弘前(5:00)== 酸ヶ湯温泉駐車場(6:05) 酸ヶ湯温泉駐車場(6:30)→地獄湯ノ沢(7:40)→仙人岱(8:04,8:10)→八甲田大岳(9:00,9:35) →大岳避難小屋(9:50,10:10)→上毛無岱展望所(11:15)→城ヶ倉分岐(11:50)→ 酸ヶ湯温泉駐車場(12:15) 酸ヶ湯温泉駐車場(13:30)==東横イン弘前(16:00) |
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【9/22(火) 晴れ】 | |
東横イン弘前(8:20)== 大鰐弘前IC(9:30)==安代JCT(10:30)==郡山JCT(16:00)==久喜白岡JCT(18:30)==狭山SA(19:30)== 高尾山IC(20:00)==0:10== 自宅(20:30) |
行程図 | |||
国土地理院地図より作成 |
天気図 | |
【9月21日(月)】 日の出 5:23, 日の入り 17:36 曇り時々晴れ 16.4℃/11.0℃ 2.3m/s 南西 0.0mm |
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衛星画像、天気図は日本気象協会より転載、気温は酸ヶ湯 |
◆ 山行資料 |
アプローチメモ | |||
交通手段 |
・東北道大鰐弘前IC→圏央道高尾山IC: ¥11,350 走行距離: 1,526km | ||
温泉 | ・酸ヶ湯温泉(日帰り入浴): ¥1,000 |
◆ 日誌と写真 |
行動日誌 | |
東北百名山の旅、2座目は八甲田山である。 岩木山で脚に少々筋肉痛を感じて不安であったがなんとか朝には回復していた。 またガイドブックで八甲田山は歩行時間も4時間半程度、登山難易度も初心者向きとある。 まあなんとかいけるであろう。ただ天気予報では一応晴れとはなっているが「大気の状態不安定」ということであった。 | |
【9/21(月) 晴のち曇り、無風】 |
朝5時に起きてホテルの人に車をガレージから出してもらい、まだうす暗い中を東に向けて車を走らせる。
空がだんだん明るくになるにつけ薄い雲はかかっているがなんとか雨にはなりそうもない。やがて車は山中に入り高度を増していく。
酸ヶ湯温泉の看板が出てきてさらに進むと酸ヶ湯温泉に到着。
温泉旅館の前には多くの車が駐車されているが、登山者向けにはさらに先に行ったところに広い駐車場があった。
駐車場には車中泊をしたと思われる車が多く駐車しており、ちらほら登山者は出発していた。
あたりは明るいが八甲田山の方に目を向けると雲がかかっている。
隣に駐車している方に声をかけるとなんと名古屋から来たと言う。
1,000kmの道のりを運転したとのことで、昨日は私と同じように岩木山を登ったとのこと。その後竜飛岬にドライブしてからここの駐車場で車中泊したということであった。 さて曇り空で日差しもなくなんかあまり気分はすぐれないが登山靴を履いて準備し、駐車場の奥にある登山口からスタートした。 |
登山口 |
布製の登山道 |
登山口からは沢沿いに沿って道が続いており、ぬかるみのある道であるがここではなんと布製の木道?で整備されている。 当然布に水気は含んでいるが滑ることはなく足にやさしい。そういう区間は一部だけであり、その後は沢沿いの石ころの多い道で傾斜はあまりきつくないが濡れた石で滑らないよう気を付けなければならない。 やがて沢沿いの樹林帯を抜け見晴がよいところに出た。そこはちょっと硫黄の匂いがかすかに漂よう地獄湯ノ沢である。 | |
地獄湯ノ沢 |
地獄湯ノ沢 |
大きな沢で見晴しが開け、下の方には津軽平野の一部が望め、また上を見ると登っている登山者も見える。
ただ稜線方向はガスがかかっている。 沢を登り切ると木道になり広い湿原に出る。仙人沼と呼ばれるところで、目の前に円錐状の小岳が控えている。 左手には今日の目的の大岳が控えているが山頂はガスにかかっいる。 |
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もうすぐ仙人岱 |
仙人岱 |
木道脇の休憩スペースには木製の四角い水槽がありすぐ側の池塘から水が導かれている。 コップが置かれているが、池塘の水でなんか沢の水ではないのでどうかなと思う。水槽の底は泥であり上水を飲めということであろう。 | |
仙人岱の水場 |
鏡沼 |
少々休憩してからいよいよ大岳に向かう。途中右手に大きな沼が現れ、透明な水面を通して葉っぱが美しかった。 そこから本格的な登りで高度を増すにつけガスがだんだん取れてきて、山頂に着いた時にはガスが完全に取れていた。 | |
八甲田大岳山頂 |
山頂の小さな祠 |
山頂は広い場所で見晴が良い。前日の岩木山山頂がガスの中だったので気分は晴れる。 | |
小岳、高田大岳方面 |
遠くに八甲田ロープウェイ駅 |
八甲田山がいくつもの山からできていることが分かる。遠くの方にロープウェイの駅も見える。ただ雲がたなびいていて積乱雲らしき雲も見える。 天気予報では大気の状態が不安定ということだったので、これらの雲を見るとうなづける。 | |
鞍部に大岳避難小屋、正面は井戸岳、赤倉岳 |
大岳避難小屋 |
山頂でいろいろ写真を撮って、さて下りだすとだんだん筋肉痛が現れてきた。目の前に井戸岳、赤倉岳が控えていて最初はここにも登ろうかと思っていただが、山頂ピストンでまたこのような下りを思うと諦めた。 鞍部の避難小屋はロッジ風の作りでりっぱで、きれいなトイレもある。小屋の前のテーブルでお湯を沸かしてコーヒーを飲んだ。 それからひたすら下ることとなるが、しばらく筋肉痛を我慢しながら下っていくと突然大湿原が見渡せる場所に着いた。 上毛無岱展望所である。そこから長い階段を下って大湿原の中の木道を歩くこととなる。 | |
宮様分岐付近の池塘 |
上毛無岱展望所より |
木道に沿って水が流れている箇所もあり滑らないよう注意を要する。木道の脇はあたり一面黄色く色づいた草紅葉で、時折日差しが当たると輝く。 木道の先には遠くに津軽平野、後ろにはすっかりガスが取れた大岳が控えている。 木道の途中で休憩用のテラスが設けられており、登山者が昼寝していた。もう少し天気が良ければ昼寝でもと思うが、だんだん雲の量が増してきた。 | |
下毛無岱の草紅葉 |
下毛無岱より八甲田大岳 |
湿原が過ぎて樹林帯に入ると雨が降ってきた。もうすぐ登山口なので、ここは我慢してカッパは出さずにひたすら登山口に急ぐ。 結局通り雨だったらしく登山口の酸ヶ湯温泉に着いた時には雨は上がっていた。 | |
酸ヶ湯温泉登山口 |
酸ヶ湯温泉 |
駐車場に着くと名古屋から来たと言う隣の方もすでに車の傍で着替えていた。話をすると同じコースで井戸岳、赤倉岳まで回ってきたとのこと。
これから酸ヶ湯温泉に行くという。日帰り入浴は3時までということで、昨日は竜飛岬から来た時は3時を過ぎていて入れなかったとのこと。 さてここまで来たらやはり酸ヶ湯温泉に入らなければならない。混浴のひば千人風呂・・・である。 さっそく1,000円払って千人風呂に入るも広い浴場であるが、桶やカランなど洗い場もなく大きな湯舟があるだけ。 最初は遠くの方に水着みたいなものを着たおばちゃんらしい人が一人いたがいつのまにか出て行った。 湯舟の真ん中で男性と女性の仕切り線はあるが、結局男性ばかりであった。 酸ヶ湯温泉はそこそこに出て車に戻り、弘前市内に戻る。酸ヶ湯温泉では石鹸でしっかり洗えなかったのでシャワーを浴びる。 これってせっかく温泉に入った効果が台無しということは分かっているのだが、やはり汗かいた身体は石鹸で綺麗に洗い流しておきたい。 さて今夜は最後の晩である。どっかの居酒屋でもと思ったがまだ明るい。 ホテルで弘前城でプロジェクション・マッピングをやっているというので、ホテルから歩いて弘前城に行く。 弘前城はこんもりしていてお堀の桜並木が素晴らしい。場内に入るとテントが張られていてさっそく検温、消毒、それに住所・氏名まで書かされた。 広い公園なのに念入りだなあと思ったが、これはこれで必要である理由があった。 本丸に向けて歩き出して城内の土産物屋でプロジェクション・マッピングの会場はどこか尋ねてみたらちょうど反対方向、 お店のおっちゃんによれば、すごい行列で今から並んでもみれるかなぁと心もとない返事。 そこで、さっそくその方向に向かうとだんだん人混みが増えてきて長蛇の列が見えてきた。せっかくここまで来たので並ぶことにする。 最後尾に張り付いている警備員に聞くと1時間待ちとのこと。 山登りの後で足腰に疲れが出ているが仕方なしに並ぶ。暇なので友人にLINEなどして暇つぶしする。 |
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弘前城公園ライトアップ |
弘前城プロジェクションマッピング |
あたりは暗くなりやっと会場の本丸入口に到着。30~40人ずつ本丸に入ることになっている。
皆さんマスクはしているがお互い間隔を空けることはない。しかし会場には観覧席も設けられ全員が十分鑑賞できるよう配慮されていた。晴れ渡った夜空の月が美しい。 プロジェクション・マッピングが音楽とともに始まり、紅葉をテーマにした映像がお城一面に映し出された。 アートを感じさせる。およそ15分くらいのショーであったが見応えはあった。なんか夏祭りの帰りのような人混みの中、会場を出てホテルに帰ろうとするもタクシー乗り場は行列。 循環バスもどうやら7時過ぎにはなくなっているみたい。仕方なしにまたまた歩いてホテルに戻ることにした。 そういえば晩飯がまだであった。8時を回っていたが弘前駅前の居酒屋を2~3軒覗いてみたが生憎満員とのこと。 やっと4件目でチェーン店の居酒屋に入れた。店の者から相席ですよ、と言われたが広い部屋に通され、 隅の方にお客がひとり、こちらも部屋の端の席に座って十分なソーシャルディスタンスである。さっそく生ビールを頼んで地元の食材と思しきメニューを選びゆっくり寛ぐことができた。 それにしてもこの店に入るまで立ちっぱなしということを忘れていた。 ホテルの部屋に戻ると疲れがどっと出てすぐに心地よい眠りについた。 |
感想 | |
八甲田山といえば「八甲田山死の彷徨」を思い起こされる。明治35年1月に起こった210名中199名が死亡した雪中行軍遭難事件である。
遭難現場は調べてみると今回登った八甲田山の山頂よりもっと北のところである。青森市から南に下った八甲田山のふもとにあたる。 今回の八甲田山山行が年老いた自分にとってちょっとした死の行軍になるかな?と思ったのであるが、登山道は整備され、丸みをおびたやわらかい山容と広大な湿原の中、心地良いそよ風が筋肉痛の身体にやさしく吹いていた。 紅葉には少々早かったが、幸いガスに包まれることなく眺望もそこそこ楽しめ満足であった。 弘前の街は静かでこじんまりとしているが、一歩ショッピングモールの中に入ると都会のそれとは遜色のないファッション店やスーパーがあり、決して文化的に都会との差を感じさせない。 また街の中心に広大な弘前城があり、そのお堀には樹齢を重ねた桜並木がある。さぞ桜の季節には日本らしい美しい風景を呈しているであろう。 今回は夕方、夜間の弘前城しか見ることができなかったが、その分現代アートを感じさせるプロジェクションマッピングを楽しむことが出来て今回の山旅の大きな”おまけ”となった。 今回で岩木山、八甲田山も無事登頂し私の百名山の旅は99座制覇したことになる。 南アルプス塩見岳を残すのみとなったが、これは来年。今年は新型コロナのせいで塩見岳は閉鎖となり仕方がない。来年には是非収まって欲しいものである。 |