大峰山・八経ヶ岳(1,915m)
◆ 山行記録
山行概要
報告概要 大峰山の八経ヶ岳に行ってきました。
山行日 2021年11月13日~14日
八経ヶ岳山頂にて
天気 11月13日  晴れ
11月14日  晴れ時々曇り
企画 個人企画
装備 12-13kg
同行者 Uさんとふたり
コース
概要
行者還トンネル西口駐車場⇔奥駆道出会⇔聖宝ノ宿跡⇔弥山小屋⇔八経ヶ岳

行動記録
【11/13(土)晴れ、微風】
自宅(8:00)==横浜町田IC(9:00)==亀山IC(14:34)==東名阪自動車道==友生IC(16:00)==天川川合(17:30)
【11/14(日)晴れ時々曇り、微風】
天川川合(6:50)==行者還トンネル西口駐車場(7:40)

行者還トンネル西口駐車場(7:10)→奥駆道出会(8:10)→弁天の森(8:30)→聖宝ノ宿跡(9:00)→弥山小屋(10:00,10:15) →八経ヶ岳(10:40,10:55)→弥山小屋(11:20,12:05)→聖宝ノ宿跡(12:40)→弁天の森(13:10)→奥駆道出会(13:25) →行者還トンネル西口駐車場(14:07)

行者還トンネル西口駐車場(14:30)==天川川合(15:00,15:30)==奈良王子駅(17:30)

行程図

国土地理院地図より作成

天気図
【11/13(土)】 日の出 6:27, 日の入り 16:55  晴れ     14.3℃/2.5℃, 東北東  1.1m/s, 降雨量 0.0mm,
   
【11/14(日)】 日の出 6:28, 日の入り 16:54  晴れ時々曇り 18.0℃/5.4℃, 東 1.1m/s, 降雨量 0.0mm,
   
日本気象協会、気象庁 過去の天気より転載 @奈良県五條市

◆ 山行資料
アプローチメモ
交通手段 ・高速道路(横浜町田IC→亀山IC):    6,090円(ETC料金、休日料金)
・高速道路(亀山IC→横浜町田IC):    8,520円(ETC料金、平日料金)
                総距離: 1,277km
宿泊 天川村ビレッジ・オアシス        4,700円(素泊まり)
東横イン奈良王子駅南口         5,510円(朝食付き)
温泉 ・パス
◆ 日誌と写真
行動日誌
 百名山は塩見岳を9月に登頂したことで全山制覇し無事終了したが、我が百名山のリストを眺めると「登頂」マークがあるところで気になる山がある。 火山噴火警戒レベルのため山頂を踏めない浅間山や雌阿寒岳は仕方ないにしても近畿地方の百名山である大峰山は一応「登頂」としているが、 正式な百名山リストでは八経ヶ岳となっている。大峰山自体は中学校の夏の林間学校で山上ヶ岳に登ったし、またワンゲル時代に2回ほど夏合宿の予備合宿として沢登りなどして大峰山奥駆も経験している。 ただ正確なルートは忘れたが山上ヶ岳に登っただけで大峰山の最高峰である八経ヶ岳には行ったことがない。 社会人になって近畿地方の山からはとんと遠ざかってしまったが、3年前に大台ケ原に行った時から山深い大峰山系が気になっていた。 たまたま仕事の関係で神戸に行く用事が出来たので、そのついでと言っては何ですが、近畿地方の最高峰である八経ヶ岳に挑戦することとした。 せっかく関西方面に出かけるので塩見岳に一緒に行ったUさんに声をかけると一緒に登りたいということで、またまた2人山行を行うこととなった。
 日程は土曜日に東京を出てその日のうちに登山口の麓にあたる天川村の宿に泊まり、翌日日帰りで八経ヶ岳を登って、奈良で一泊、翌日に神戸に移動して仕事ということにした。 塩見岳と違って今回は車中泊はなし、宿でちゃんと寝てから登山することとした。もう季節も晩秋であり、この時期に車中泊は辛い。
【11/13(土) 晴れ、微風】
 コロナが収まってきて皆さん外出するようになり、高速道路が渋滞になることが気になったので、土曜日は余裕をもって6時頃に家を出た。 東名高速は大和トンネル付近の集中工事で少々渋滞していたが、そこを抜けると順調に走りだした。 足柄SAでゆっくり朝食をとり、さらに進むと右手には真っ青な青空に富士山がきれいに望めた。第2東名に入り、浜松付近で仮眠をとり、名古屋を過ぎて名阪国道に入る。
 ここはここまでの高速道路とは異なり、道幅が狭くトラックや軽自動車などが入り混じってどの車もかなりのスピードを出している。 後で気づいたがここは一般国道で無料である。どおりで混んでいるはずである。 途中の談合坂SAで休憩を取りたかったが、そこの入り口には長い車列なので、結局次のPAでやっと休憩を取ることがで来た。
 ガソリンも少なくなり、このまま給油せず天川村まで行ってしまうと補給できないことにならないか気になり、予定のICより手前のICに下りてしまった。 インターを降りてコンビニで夕食と山の食料を調達するとともに、さらにガソリンスタンドを探して、出くわしたスタンドでとにかく給油した。 そんなことをしていて、天川村への向かううちに辺りは暗くなり、天川村に着いた時はあたりが真っ暗であった。 今回宿泊する「ビレッジ・オアシス」という宿が分からず、静まり返ったなかでたまたま歩いていたおばちゃんに尋ねてとりあえずその方向に車を進めた。 以前あたりはまっくら、宿の看板なども見えない。 とりあえず広い道路になったのでちょっと下りてあたりを調べてみようとしたところ、窓をトントンと叩くUさんがそこにいた。 Uさんから宿はそこだということで一安心。真っ暗な中、どうやって宿を探そうかと不安になっていたところ、ほんとにハッピーな出会いであった。
 さっそく宿に入って手続きをすると宿の主人から宿の決まり事をいろいろ聞かされた。 予約する時、食事の提供はなしと聞いていたので、コンビニ弁当やおつまみなどを買ってきていたが、電子レンジがあるという食堂は小さなテーブルと椅子がふたつ、 ポットは宿の主人が奥から出してきたポットに水を入れてその場で沸かす、といった具合で、広くて寛げる場所とは程遠い。それに山中であるせいか少々うすら寒い。 そして案内された2階の和式の部屋はそこそこ広いが純和風、そしてうすら寒いので暖房器具も用意してもらうも料金はその分上乗せとのことであった。 湯たんぽも用意するとのことであった。
 とにかくUさんと小さなスペースで缶ビールで乾杯、夕食を取ることとした。Uさんが持ってきた日本酒も味わいながら夕食を済まして、 2階に上がると昔の懐かしい木綿の思い布団を敷いて寝ることとした。Uさんはその後お風呂に入ったが、ほんとに狭いアパートの風呂場といった雰囲気なのでとても入る気がしなかった。 オイルヒータの電源を入れしばらくして暖かくなり、なんとかうすら寒い部屋で暖をとることができた。また湯たんぽがこの冷たく重い布団では貴重な熱源であった。
【11/14(日) 晴れ時々曇り、微風】
 身動きできないほど重い掛け布団が効いていたせいか、夜中に起きることなく朝の5時ごろまで目を覚ますことはなかった。 朝6時に布団から起きて、登山の準備をして6時半ごろには宿を出た。
 登山口の行者還トンネル西口まで車で40分ほど、右手は崖、左手は沢の狭い林道で対向車があるとすれ違うのに冷や冷やするところを登っていく。 ようやく行者還トンネルの入り口に着くと駐車場はほぼ満杯、おじさんが車を誘導して所定の駐車場に止める。止めるや否やさっそく料金1,000円を徴収される。 宿は我々の他、後ひとり泊っていたが、あまり車や人が見かけなかったが、やはり百名山の登山口駐車場になるとそれなりの賑わいを感じさせる。
 登山靴に履き替え、駐車場のすぐ傍にある登山口から登りだす。あたりはうす曇りといったところ。

行者還トンネル西口駐車場

登山口
 奥駆道出会まではひたすら登りである。危険な箇所はないが、あたりの木々の葉はすっかり落葉している。林道では紅葉が見られたが、山に入るともう紅葉の季節は終わっている。

ユニークな木橋

ハシゴがかけられています
 奥駆道出会からは山上ヶ岳から那智に至る大峯奥駆道である。比較的緩やかな稜線をひたすら弥山に向かって進む。

奥駆道出会

弁天の森
 曇っているせいかあまり視界は良くないが林の中を進む。弁天の森を通過したあたりから目の前に弥山の山が見えてきて、やがて修験者の銅像が鎮座する聖宝ノ宿跡というところに到着。

弥山、八経ヶ岳が見えてきました/FONT>

聖宝ノ宿跡
 弥山までは約300mの登り、途中で木の階段が続き歩き易いが、登る程に木の階段に雪がついていて滑りそうであった。 また木々に着いた雪が解けて雨のように落ちてくる。

弥山の登りで雪が残ってました

弥山
 弥山に着くと広場がありベンチやテーブルもあり、登山客がそこそこ休憩していた。弥山小屋は閉鎖していて扉はすっかり板塀で固く閉じられていた。 弥山からすぐそこに八経ヶ岳が望める。山頂付近は雪が残っているせいかところどころ白い。

弥山山頂

弥山から八経ヶ岳
 八経ヶ岳に向かって登っていくと若い登山者が「柵があって八経ヶ岳には登れない」と言う。まさかここまで来て八経ヶ岳が閉鎖されているなんて俄かに信じ難い。 百名山でもあるし、そういう状況であるとなんらかの案内板があるはずだし、「そんなことはないと思うから一緒に行こうよ。」と言ってさらに登る。 と、しばらくすると柵が現れたが扉があり、針金でくくられたロックを外して扉を開けて中に入る。若い者には「これは鹿よけの柵で、山ではよく見かけるよ。」と言ってやった。
 山頂に着くとやはり百名山、数人の登山者が狭い山頂にたむろしていた。それよりも驚いたことに、木々に発達したエビの尻尾、2,000m近い高山なのでやはり雪や強風で発達したものらしい。 宿の主人から山は霜で寒いよと言われていたが、東京で季節外れの暖かさを経験していたので信じられなかったが、やはり山の上は違う。

八経ヶ岳山頂

霧氷

りっぱなエビのしっぽ

弥山に戻ります
 弥山に戻り、空いているテーブルでお湯を沸かして昼食を取る。 Uさんといえば昼食は持ってきていないようなので、仕方なしに朝食で余ったパン、また非常食のカップスープを作って上げる。 そして、カップも何もないというので、ジェットボイルの蓋をお椀代わりにして作ってあげた。ほんと世話の焼けるやつだ。

弥山小屋の前でランチ

下ります
 弥山からは来た道を引き返すだけ。

奥駆道出会から一気に下ります

下山しました
 登山口に降りてくると駐車場はその直下の臨時駐車場まで満車であった。駐車場から狭い林道をすれ違いの車が来ないことを願って下っていったが、2台ほど出くわした。 すれ違い場所が近かったので事なきを得たが、この時間に車が登ってくるとは、登山者ではなくトンネルを抜けて奥の村まで行くのであろうか。 またところどころ渓流釣りなのか、林道脇のちょっとしたスペースに車が止まっていた。また途中に紅葉の名所なのか駐車案内をする警備員がいた。

前泊したビレッジ・オアシス

ふもとの天川村
 天川村の宿に降りて来て、この度の山行は終了。夏山と違って汗もあまりかかなかったので、温泉に寄るよりも早く家に帰ろうということで、宿の前でUさんと分かれた。
感想
 八経ヶ岳を制覇したことにより、百名山制覇のわだかまりが取れた。また一足早く霧氷に包まれた白い世界を楽しむことが出来て満足であった。
 それにしても前泊した民宿は確かに安かったが、昔ながらの木綿の重い布団、お風呂もUさんによればとても身体を洗うというよりも狭い湯船に使って終わりという貧弱な風呂場であったとのこと。 確かに車中泊よりは快適に眠ることが出来てその点は良かったが二度と泊まりたいとは思わないというのがふたりの共通の認識であった。 宿の主人が突然「ブログをやってますか?」というので、個人的にサイトは作っているが顔写真などは掲載しないよう気を付けていると応えるとあまり紹介して欲しくないとの返事であった。 ネットに対して不信感を持っているのかなとも思ったが、ここの宿はネットで見つけたことだし、それにはあのグレートトラバースで有名な田中陽季氏も泊まったことなども含め、いろいろ紹介されていて、ほんとはどうなんやろかと思ったりした。 とにかく宿の主人は独身なようで変わった人物であった。

 ホームへ