白山(2702m) |
◆ 山行記録 |
山行概要 | ||
報告概要 | 北陸の百名山である白山に行ってきました。 | |
山行日 | 2020年8月1日~3日 | 白山御前峰にて |
天気 | 8/2 晴れのち曇り、8/3 曇り | |
企画 | 個人企画 | |
装備 | 5-6kg | |
同行者 | Sさん | |
コース 概要 |
別当出会→中飯場→(砂防新道)→甚之助避難小屋→黒ボコ岩→弥陀ヶ原→室堂→御前峰→お池めぐり→室堂(自炊泊) 室堂→黒ボコ岩→殿ヶ池避難小屋→(観光新道)→別当出会 |
行動記録 | |
【8/1(土) 晴のち曇り、微風】 | |
自宅(5:50)==子供の国(6:00)== 横浜町田IC(6:20) == 足柄SA(6:45) == 浜松SA(10:00)== 白鳥IC(11:30)==越前大野市(12:30) 昼食 越前大野城見学 越前大野市(16:20)==勝山市(16:50)== 白峰(17:30)== 市之瀬駐車場(18:00) |
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【8/2(日) 晴のち曇り、微風】 | |
市之瀬駐車場(5:40)==別当出会(6:00)→中飯場(7:05,7:20)→別当覗(8:00)→甚之助避難小屋(8:50,9:25)→黒ボコ岩(10:25,10:35)→弥陀ヶ原(10:40)→室堂(11:20) 室堂(12:30)→御前峰(13:09,13:20)→ お池めぐり→ 室堂(15:00) | |
【8/3(月) 曇り、微風】 | |
室堂(5:50)→黒ボコ岩(6:15,6:20)→殿ヶ池避難小屋(7:00,7:20)→別当坂分岐(8:10,8:20)→別当出会(9:20) 別当出会(9:40)==市之瀬駐車場(10:00) 市之瀬駐車場(10:20)==九頭竜道の駅(12:20,12:40)== やまとやすらぎ館(13:15,14:00)==浜松SA(16:30,17:00)==足柄SA(18:00)==横浜町田IC(19:05)== 子供の国(19:30)==0:10== 自宅(19:40) |
行程図 | |||
国土地理院地図より作成 |
天気図 | |
【8月1日(土)】 日の出 5:00, 日の入り 19:00 曇りのち晴れ 29.7℃/24.6℃ 0.0mm |
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【8月2日(日)】 日の出 5:01, 日の入り 18:59 曇り時々晴れ 31.9℃/23.2℃ 0.0mm |
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【8月3日(月)】 日の出 5:01, 日の入り 18:58 曇り時々晴れ 32.6℃/25.8℃ 0.0mm |
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衛星画像、天気図は日本気象協会より転載、気温は金沢 |
◆ 山行資料 |
アプローチメモ | |||
交通手段 |
・高速通行料 横浜町田IC→白鳥IC: ¥6,320 ・高速通行料 ぎふ大和IC→横浜町田IC: ¥8,660 ・シャトルバス 市ノ瀬駐車場~別当出会: ¥1,000 |
◆ 日誌と写真 |
行動日誌 | |
百名山は残すところ6座で今年中に制覇するつもりであったが、このコロナ禍で山小屋は閉鎖、富士山などは入山禁止という状況である。
そこで日帰り登山がなんとかできそうであるが、未踏峰の塩見岳だけは日帰りは無理でベースとなる三伏小屋はテントサイトも含め今年は閉鎖である。
これで今年の百名山制覇は来年に持ち越しとなったが、後は東北の百名山の4座(岩木山、八甲田山、鳥海山、早池峰山)と白山である。 そこでまずは東北の早池峰山と鳥海山に7月に行く予定で計画したが、今年は例年にない長梅雨、おまけに山形地方は豪雨のため川が氾濫する災害も起きた。 またこのコロナ禍の最中、早池峰山がある岩手県がずぅ~と感染者がゼロの記録を打ち立てており、このような状況で感染者が再度急増している東京からのこのこ出かけていくことも少々憚れた。 結局岩手県も7月28日にゼロではなくなったが、以前天気予報も東北地方は梅雨明けどころかずっと雨マークが多いぐづついた予報が続いていた。 そこで東北は諦め白山に行くこととした。幸い宿泊施設の室堂は人数を絞って営業しているとのことで、日帰りも一応考えたが、年齢も考え余裕をみてそこに泊まることにした。 ただ予約の時、寝袋持参、マスク、アルコール必携と言われた。また食事はすべてレトルトということなので、自炊とした。 次に白山となると車で行くとなると東京から福井までちょっと遠い。そこで近所のKMTメンバーのS君に声を掛けたら一緒に行ってくれるとのことで運転交代者も見つかり、これで安心して行けることとなった。 |
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【8/1(土) 晴のち曇り、無風】 |
関東地方は8月になって梅雨明け。異常に長かった梅雨から解放され気持ちも晴れやかになる。 土曜日の朝5時に起きて自宅を出るとあいにく曇り空。6時集合ということでS君宅でS君を拾ってそこから横浜町田ICから東名高速に入る。 土曜日であるが幸い空いている。足柄SAで運転を交替して第2東名に入り、静岡県に入ったあたりから晴れてきた。 第2東名もガラガラでいつの間にか浜松SAまできた。極めて順調である。第2東名から東海環状線に入り土岐JSTから白鳥ICを出た。 以前荒島岳に行った時に通った道で、夏の日差しを浴びて九頭竜川沿いの緑の中を水をたたえたダム湖を横目に眺めながら快調に進む。 時折荒島岳の方向を探していたが見つからず、そうするうちに懐かしい九頭竜駅にある道の駅まで来た。時刻はまだお昼前である。 前に荒島岳に来た時、車中泊のお弁当やビールを買おうと思ったが高速を降りてからコンビニやお店がまったくなくここ九頭竜の道の駅でも夕方5時を過ぎていたのですべて閉まっていた。 今回は事前にそのあたりを調べた結果、その先の越前大野市には大型スーパーがあるようなので、そこまで車を進めることとした。 まもなく越前大野の町外れにフードコートも備えた大型スーパーがあった。 ただここでお昼を食べるよりはせっかく福井県まで来たので、やはり地元のお店で食べようということでお蕎麦屋さんを探して入った。 案の定、おいしいお蕎麦を賞味することが出来た。お昼を済ませてもまだまだ時間があるので、町中にある越前大野城に行くこととした。 |
越前大野城天守閣 |
天守閣に続く階段 |
越前大野城はこじんまりとした町の中の小高い山(亀山)に立っており、こんもりした森の坂道を登ってくと天守閣が表れる。
入場料を払って天守閣に登ってみると大野市の町並みが一望できるほか、東側に堂々とした荒島岳(別名大野富士と呼ばれる)が望める。天守閣の最上階を吹き抜ける風が心地よい。
残念ながら白山方向は雲に隠れていたが、昔の城主はここから城下町と実りの多い田畑を望むことができたであろう。
もともと天正3年(1575年)、金森長近氏が織田信長より領地が与えられ大野城の普請と城下町の建設を始めたとある。
その後、長谷川氏、青木氏、土屋氏、松平氏を経て土井家が明治時代まで代々受け継がれてきたとある。 また場内には火打石式ゲベール銃や鎧、冑など戦国時代から江戸時代の武具や書物、駕籠や道具などが展示されていて一見の価値があった。 |
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天守閣から白山方向を望む |
天守閣から荒島岳を望む |
大野城を見学した後、二人ともヘッドライトを忘れていたのでスーパーの側にあるヤマダ電機に行き、簡単な懐中電灯でもないかと探すとなんと1個80円のLEDライトが売っていた。
また今宵の車中泊に備えて夕食、缶ビールなど仕入れ、白山登山口である市之瀬に向かった。 市之瀬の駐車場に到着するとなんとほぼ満車状態、山から下りてきた登山者が車で帰るので少々空きもあり無事駐車場内に止めることとが出来た。 |
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【8/2(日) 晴のち曇り、無風】 | |
夜中の3時頃目を覚ましトイレにいくため車外に出ると満点の星空であった。夜中にも何台か駐車場に車が入ってくる。また駐車場入り口には警備員が寝ずに車の誘導をしていた。 朝5時前に起きて簡単な朝食を済ませ、シャトルバスの停留所に行くとまずは係員から検温され、検温済みステッカーをもらいそれをザックに貼れとのことであった。 チケットを買ってマイクロバスに乗り込むと満員になってからバスは別当出会に向けて出発した。全員マスクを付けている。 別当出会で登山届を出していよいよ出発。人数にして20名ほどか、その大方の登山者は我々と同じ砂防新道の吊り橋を渡っていった。 |
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市之瀬駐車場 |
別当出会 |
とりあえず登山口で記念写真 |
右が砂防新道、左が観光新道 |
吊り橋もりっぱであるが、そこからの登山道も石畳が階段状に整備されていて歩きやすい。登りの傾斜もゆるくこれなら今日は楽勝かなと思った。 | |
吊り橋を渡ります |
中飯場 |
中飯場まで樹林帯の道を順調に上る。そこからすぐのところに不動滝を眺める場所があった。次の甚之助避難小屋まで1時間半、途中別当覗で休憩をとる。だんだん高度を増す。 | |
不動滝が見えます |
甚之助避難小屋 |
甚之助避難小屋の前は広場になっていて多くの登山者が休憩している。そこから福井県の山並みが望める。 休憩してからさらに登ると南竜山荘に続く登山道の分岐に出る。そこを通り過ぎてさらに山裾を回るように登っていく。 山裾には高山植物がいろいろ咲き乱れていてしばし写真撮影。だんだん疲れが出てきたところであるが、小さな可憐な花に癒される。 小さな沢を通過してさらに登って行ってようやく黒ボコ岩に着いた。 | |
ここから周りは高山植物 |
高山植物が咲き乱れています |
斜面に広がるニッコウキスゲ |
黒ボコ岩に着きました |
別当出会から約900mの登りで少々疲れた。そこから室堂まではコースタイムで約30分、10分ほど休憩して出発するとすぐに広大な笹原が広がっていた。 そこは弥陀ヶ原であるが、行く手の白山山頂は雲に隠れて見えない。ただ幅広い綺麗な木道の両側には可憐な高山植物が咲いている。 | |
あとは室堂まで楽勝? |
弥陀ヶ原 |
やがて少々岩が露出している山道を登ってやっと室堂に着いた。室堂に着いたとたん正面に据えられたテントの中の係員から検温を受ける。 ここでも検温済みのステッカーをもらいマスクに付けろとのことであった。室堂での宿泊受け継は13:00からということで、白山の見える広場のベンチで昼食をとる。 | |
やっと室堂に着きました、大勢います |
室堂から白山御前峰 |
幸いにも山頂にガスはかかっておらず、登っている登山者が小さく見える。ゆっくり昼食をとった後、ザックを木陰において手ぶらで白山山頂に向かう。 | |
御前峰から室堂を見下ろす |
御前峰の祠と室堂 |
空荷なのでコースタイム通り40分ほどで白山の最高峰である御前峰に到着。ようやく今年の百名山1座を制覇する。 山頂から眼下に室堂が小さく見え火口湖である翠ヶ池が見えるが、周囲の山並みや下界は雲にさえぎられていた。 | |
御前峰と翠ヶ池 |
雪渓と翠ヶ池 |
山頂から定番のお池めぐりをする。翠ヶ池の傍には大きな雪渓が残っており、山の斜面にはところどころ高山植物が咲いている。 | |
火口から御前峰を望む |
降りてきたら晴れてました |
翠が池のほか、紺屋ヶ池、油ヶ池、血ノ池、千蛇ヶ池、百姓池など巡ったが曇っていたので池の水も灰色でくすんでいた。 結構距離もあったので少々疲れた。室堂に戻ってくると山頂は晴れていた。 | |
小屋の中はゆったり |
室堂の夕焼け |
室堂に戻ってさっそく受付を済ませて指示された自炊専用の小屋に入るとなんと個人に割り当てられたスペースは2m以上、それに梁のところにはビニールシートが張られている。 自炊小屋の真ん中には自炊用のテーブルがあるが、これだと寝るところでコンロが使える。とりあえず外に出て待ちに待った生ビールで乾杯。このビールがなぜかとてもうまい。それに500円割引で300円とは。 ビールで一休みしてから小屋に戻って夕食にとりかかる。いつものレトルトカレーとサトウの白飯、どちらも温めるだけで味気ないが、あとは沸かしたお湯で焼酎のお湯割り。 | |
暮れなずむ別山方面 |
堂々とした別山 |
夕食を終えても外はまだ明るいので夕焼けを期待し外に出たが、夕日はいまいち、別山方面しか夕暮れの景色は広がっていなかった。その風景の中に今日登ってきたルートが映っていた。 | |
【8/3(月) 晴のち曇り、無風】 | |
小屋では朝3時頃からゴソゴソしだして4時頃には小屋の中の客はほとんど出かけてしまった。 こちらは5時前に起きて人気のいない小屋の中で簡単な朝食を済まし外に出るとあたりは濃いガスに包まれていた。 白山御前峰方面はまったく霧の中、テーブルで朝のコーヒーを飲んでいると御前峰から登山者が幾人も下りてきた。 尋ねてみるとやはりご来光はやはり無理であったとのこと。こちらは最初から再び白山を登る気力はなくなっていたのだが。 | |
朝霧に包まれた室堂を出発 |
黒ボコ岩についても霧の中 |
ガスの中を室堂を後にする。すぐに黒ボコ岩に着いたが以前あたりは霧に包まれている。ここから観光新道を入る。 | |
一面のお花畑 |
こちらもお花畑 |
観光新道を入るとそこはまたまたお花畑、斜面いっぱいに高山植物が咲き乱れている。 ただ霧に包まれていて日差しがないのと、青空が望めないのが少々残念である。 以前高山植物で感動した山といえば北海道のトムラウシを思い出すが、それに匹敵するくらいのお花畑である。 これまでの山行ではコースタイムを気にしてあまり花に目を向けてこなかった。そのせいで花の名前など一向に分からないのが残念であった。 | |
結構険しい |
殿ヶ池避難小屋 |
観光新道は昨日の砂防新道と違って稜線を降りてくるのであるが、次第に岩が出てきて結構歩きづらくまた険しくなる。 特に分岐から別当出会に降りるところは沢筋をゴロゴロした急坂を下る。途中登ってくる人に出くわしたがみんな汗をびっしょりかいている。 我々このコースを登りに使わなくてよかったとつくづく思う。当初白山日帰りも一時考えたが、白山山頂を経てこのコースを下るとなると体力的にどうかと思う。 そんなことを考えながら慎重に下ってようやく出発地点の登山口である別当出会に到着した。 | |
谷間に登山口の別当出会が見える |
別当出会の登山口に到着 |
別当出会からシャトルバスに乗って市ヶ瀬駐車場に戻ってきたら夏の日差しで十分温まった車が待っていた。
さっそく着替えて温泉へということとなるが、予定していた近場の白峰温泉の総湯温泉は12:00にならないと開かない。
そこでシャトル切符売り場のおばちゃんに越前大野市の市立の温泉を紹介してもらう。 さっそく車を走らせると自宅に戻ると選択したナビは大野市街をバイパスしてしまう。 そこで帰るルート上にあるその先の九頭竜温泉に行ってみたら、そこはなんとコロナ禍で休業中であった。 時刻はすでに12:00をとっくに過ぎていたので、九頭竜駅の道の駅でお蕎麦を食べながら、これから帰るルート中の温泉を調べると白鳥ICの先に「やまとやすらぎ館」というスーパー銭湯が見つかったのでそこに行くこととした。 もうこのまま早く東京に帰ることも考えたが、なかなかきれいな温泉でまた道の駅だったので正解であった。 温泉でさっぱりした後、ひたすら高速道路を突っ走って自宅には午後の7時半過ぎに到着した。 |
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【白山で出会った高山植物】 | |
高山植物で有名は白山、たくさんの花に出会いました。 | |
シモツケソウ |
調査中 |
シモツケソウ |
コイワカガミ |
オタカラコウ |
調査中 |
ミズギク |
ハクサンフウロ |
ミヤマセンチュウ |
ミヤマキンバイ |
イブキトラノオ |
タカネマツムシソウ |
ニッコウキスゲ |
クガイソウ |
調査中 |
ツガザクラ |
調査中 |
シモツケソウ |
感想 | |
このコロナ禍で今年の登山は様変わり、山小屋の多くは休業。百名山で残っている山で日帰りが困難なのは南アルプスの塩見岳と白山であった。
白山は日帰りでもなんとかできそうであるが、幸い室堂が人数を絞って営業していることなので行ってみることにした。
8月に入って梅雨が明けたので晴天を期待したが残念ながら山頂からのダイナミックな景色は望めなかったが、高山植物がこんなに咲き乱れていることに感動した。
ただこれまで高山植物にあまり注意を払っていなかったので、花の名前がさっぱり分からない。
帰ってから急遽高山植物図鑑を購入して調べているがなかなか花の名前を判定するのが難しい。
花の名前やどれだけ貴重なのかなどが分かればもっと楽しみが増えるのであるが。それにしても、白山はもう一度訪れてみたい山の一つであることは間違いない。 さて白山登頂で百名山は95座制覇したことになる。残り5座であるが、今年達成は無理としても当初予定した鳥海山や早池峰山など東北の百名山は今年中に極めたい。 問題はちょっと遠いことであるが。。。 |