石鎚山(1,982m)
◆ 山行記録
山行概要
報告概要 四国の百名山のひとつである石鎚山に行ってきました。
山行日 2019年5月2日(木)
石鎚山弥山山頂の石鎚神社前で
天気 晴れ、微風
企画 個人企画
装備 5-6kg
同行者 単独行
コース概要 山頂成就駅 ⇔ 八丁 ⇔ 夜明峠 ⇔ 二の鎖小屋 ⇔ 弥山

行動記録
【5月2日(木)晴れ時々曇り、微風】
道の駅小松オアシス(6:30)==山麓山下駅(7:15,7:40)+++山頂成就駅(7:48)

山頂成就駅(7:50)→石鎚神社成就社(8:10,8:15)→八丁(11:35)→試し鎖(9:10, 9:30)→夜明峠(9:50)→二の鎖小屋(10:20)→弥山(10:50, 11:50)→二の鎖小屋(12:25)→夜明峠(12:40)→石鎚神社成就社(14:30)

山頂成就駅(14:45)+++山麓山下駅(14:30)==いよ小松IC(15:00)==松山IC(16:00)==松山市内ホテル(16:30)
【5月3日(金)晴れ時々曇り、微風】
松山市内ホテル(8:30)==糸山展望台(10:15,10:30)==今治IC(11:00)==多々良大橋SA(11:50,12:20)==京橋IC(16:30)==神戸三ノ宮(17:00)
生田川IC(18:00)==吹田SA(19:00)==刈田SA(23:00)==足柄SA(8:30,9:00)==横浜青葉IC(11:00)==自宅(12:00)
行程図


国土地理院地図より作成

天気図
■5月2日(木) 日の出 5:20, 日の入り 18:53 晴れ 25.0℃/13.5℃ 0.0mm
   
■5月3日(金) 日の出 5:17, 日の入り 18:54 晴れ 24.3℃/14.3℃ 0.0mm
   
天気図、衛星画像 日本気象協会より転載 @愛媛県西条市、松山市
◆ 山行資料
アプローチメモ
交通手段 ・徳島・松山自動車道(美馬IC-いよ小松IC):      1,910円
・松山自動車道(いよ小松IC-松山IC):          740円
・しまなみ海道(今治IC-西瀬戸尾道):          2,260円
・山陽道(福山西IC)-阪神高速(京橋IC):       4,340円
・阪神高速(生田川IC)-名神高速-東名(横浜青葉IC): 9,000円
・石鎚山ロープウェイ:                   1,950円(往復)
道の駅 小松オアシス:  駐車場:  大型:5台 普通車:62台
温泉 石鎚山ハイウェイオアシス椿温泉こまつ:  日帰り入浴 400円
道後温泉:                日帰り入浴 400円
◆ 日誌と写真
行動日誌
 道の駅「貞光ゆうゆう館」を出てすぐに徳島自動車道の“美馬IC”から入って、徳島道、松山道を快適に走る。 トンネルが多いが新居浜、西条市あたりでは右手にコンビナートが見える。石鎚山SAを過ぎて“いよ小松IC”より高速道路を出るとナビは石鎚山SAに戻るよう指示している。 果たして道の駅と高速道路のサービスエリアが一緒になっているかもと思ってきてみるとやはりそうだ。 しかし、場所は同じでも駐車場はきっちりと高速道路側と一般の道の駅ときっちりと分離されている。 また温泉が駐車場のすぐとなりにあり、これは高速道路の利用者も入れるようだ。さて道の駅の駐車場といえば、旅行者が多いせいかいかにも車中泊する車でほぼ満車状態である。 ここで夕食など買い物しに街に出かけるとなると戻ってきた時は駐車スペースがなくなるのでは、と思ったので、道の駅に傍にある温泉の食堂で夕食をとることとした。 ありきたりのメニューしかないが、コンビニ弁当よりはましなので、ゆっくり窓から瀬戸内海を望みながら生ビールとエビフライ定食の夕食をとった。
【5月2日(木) 晴れ、微風】
 5時頃目を覚まして歯を磨きにトイレに行くと車中泊の人が次から次と訪れる。 石鎚山はまずロープウェイに乗ることになっており、ロープウェイが動き出すのは9時頃と思うのゆっくりできるのではあるが、このまま駐車場で時間つぶすのもかったるいので、とにかく登山口である石鎚山山麓下谷駅にいくこととした。
 昨日の438号線とは異なり快適な山間の道を進んで下谷駅に着くとやはり早く着いて正解であった。谷あいの広い駐車場にはたくさんの車が止まっていた。 駐車場入口のおねえさんに駐車場代を払い、ロープウェイが動いているかと聞くと8時には動いてるよ、との返事。 やはり天気がいいせいか登山客も多くロープウェイ会社としては営業に熱心になるはずである。

山麓下谷駅の広い駐車場

石鎚登山ロープウェイの入口
 車で大急ぎで着替えて、ロープウェイ乗り場に行く。あたりの街並みは昭和の時代にはさぞにぎわったような旅館や食堂が今は寂れてしまっている。 時代の流れを感じる。乗り場に行くとすでに長蛇の列。ロープウェイの先の稜線の向こうには青空が見えている。それに今日は暑くなりそうだ。

ロープウェイにはたくさんの人が行列

ロープウェイに乗り込む
 ロープウェイではいっきに高度があがる。ロープウェイの山頂成就駅で下りて、しばらく広い道をだらだら歩くと石鎚神社の成就社に着く。

石鎚神社成就社

神社のお供えから石鎚山を望む
 石鎚神社の前には古い旅館が数件あり、これも昭和の時代にはさぞ学校の林間学校とかで大勢宿泊したであろう面影が残っている。 石鎚神社に入ってみると拝殿の向こうに石鎚山のするどい稜線がお供え、しめ飾りを通して望める。 やはり修験道の本尊という雰囲気が漂っている。

ここから本格的な登山道、鳥居をくぐって八丁坂

途中のりっぱなブナの木
 鳥居をくぐって広い登山道を進むが最初はだらだらとした下り、下りついたところが八丁と呼ばれる休憩所がある。そこから登りであるがなおもゆるやかである。 しばらくして前の方が詰まっていると思ったら、いよいよ鎖場に出くわした。

試し鎖にとりつく

試し鎖の下り、結構な高度感
 ただここは試し鎖といって、これから現れる鎖場に対する練習場といったところ。垂直に近い岩場にはしっかりとした太い鎖が2本ぶら下がっている。 岩場には少々の起伏があり、それを足場にすれば鎖に体重をかけずにバランスをとる程度で登っていけるが、勾配はかなりきつくだんだん高度感が増す。 鎖場を登り切ったところは狭い岩場でそこに数人の登山者が待機している。そこから下りであるが、上から覗くとかなりきつくほぼ垂直ではないかと思われる。 順番が来て急ではあるが足場を確保して下ることが出来るが、最後の方は足の置き場が見つからずく、私の前の人はそのまま飛び降りて地面に着いていた。 こちらは慎重に鎖を持ちながら靴底を岩場に当てて軟着陸したが、この鎖場を通過してみてやはり思っていたよりも緊張を強いられた。

石鎚山の連峰

夜明峠から望む
 試し鎖場を過ぎたあたりからはだらだらした登りの登山道であるが階段続きであるので、少々身体に応える。 夜明峠に着くと前方に石鎚山の岩肌、それから垂直の鎖場も手に取るように分かる。やがていよいよ一の鎖に出てきたが、やはり渋滞していた。 階段続きの登りで息が上がっており、ここから垂直に登るにはちょっとしんどいなと思い、ここは迂回した方が無難と判断した。 もしここで滑って怪我でもしたら年寄りが無理して、と批判されるという思いもよぎった。迂回ルートも階段続きでしんどい。
 二の鎖場の手前はりっぱな小屋が建っており、またきれいなトイレもあるので、トイレを済ませて、二の鎖も迂回、最後の三の鎖場も迂回して山頂である弥山に到着した。

石鎚山弥山の山頂広場

天狗岳
 弥山に到着したが、鎖場で渋滞していたのでやはり山頂はすごい人である。みんなが鎖場を登ってきたとは思えない。 弥山からすぐ前に石鎚山の主峰である天狗岳が天に向かって突き出ている。その狭い稜線に登山者が登っているのが手に取るように見える。 鎖はないようだし、狭い稜線をバランスをとって進む箇所があり、やはり年寄りが無理して滑落しては、と思いがよぎって早々に諦めて昼食を取ることにした。

弥山から北方面を望む

三の鎖迂回の階段
 老若男女でごった返す山頂広場で北側の見晴らしがよい場所を見つけ、コンロを取り出して剣山で食べなかったカップラーメンを食べた。 日差しをたっぷり浴び、晴れ渡った山並みの稜線を見ながらの食事は最高である。
 下りでは鎖場はすべて迂回ルートをとる。迂回ルートは立派な金属製の階段が取り付けられており、この迂回ルートを整備するだけでも大変な苦労があったものと想像する。 階段の下は崖、深い谷となっており階段で下りているが空中を下っている感じである。

戻ってきました。石鎚神社成就社

案内板にある地図、登山の雰囲気がよく表されている。
 登ってきた道をただひたすら戻るだけであるが、鎖場もなく順調に成就社に到着。途中の看板で登山ルートの案内図があり山の高低が極端に描かれていたが、実感に沿った登山図である。
 ロープウェイで麓の駐車場に戻って登山靴を脱ぎ、あまり汗もかかなかったので着替えもそこそこにそのまま松山のホテルに直行することとした。 松山まで1時間くらいなので、山行後の温泉は道後温泉とすることとした。
 松山市内の中心にあるホテルに着いて、すぐに着替えを持って路面電車に乗ってさっそく道後温泉に向かう。 路面電車の終点が道後温泉であるが、やはり案の定駅前の商店街からえらい人込みである。商店街を抜けて道後温泉に着いてみると長蛇の列。 係のおっちゃんによれば、1時間から1時間半待ちだそうだ。別館は比較的早く入れるよ、と言われたが、やはり近代的な別館の温泉に入るよりも、ここはやはり日本で最初の温泉である道後温泉を経験しておかねばと思い、列に並ぶ。

「令和」で賑わう道後温泉前の商店街

道後温泉
 結局40分ほどで中に入れた。道後温泉といっても普通の銭湯とおなじ。 受付でお金を払って男湯、女湯それぞれ別の入口があって、鍵のついた木の棚、着替えて洗い場に入ると真ん中に大きな湯船があり、周りはカランでそれぞれ石鹸で身体を洗っているという普通の銭湯の風景である。石造りの浴室の壁には陶版画が飾られており、浴槽の真ん中には大きな円柱状の「湯釜」と呼ばれる湯口からお湯が出ており、なかなか重厚な雰囲気がある。 道後温泉は現在改修中ということで、「神の湯」だけの営業で2階に上がって寛ぐことはできない。 長時間並んだが、特に特別な施設はなく普通の銭湯と同じであったが、日本最古の温泉に入れたことに満足であった。

◆道後温泉の由来
 宝永7年(1710)に完成した郷士地誌「予陽郡郷俚諺集(よようぐんごうりげんしゅう)」には、道後温泉は白鷺により発見せられ、人々がその霊験を知って入浴するようになったと伝わります。 白鷺は道後温泉本館の塔屋の上や、正面玄関のランプなど本館の様々なところにモチーフとして残り、その伝説は今も人々により語り継がれています。 現在の建物は神の湯本館が明治27年、又神殿(ゆうしんでん)(たま)の湯棟が明治32年、 道後温之町初代町長伊佐庭如矢(いさにわゆきや)によって改築されました。 また南棟及び玄関棟が大正13年の建築で「道後温泉本館」として平成6年12月国の重要文化財に指定されています。
【5月3日(金) 晴れ、微風】
 今日もいい天気。ホテルでゆっくり朝食をとって、松山市内をしばらく見物しながら街並みを抜けると道幅も広くなり、さらに国道196号線は海外沿いを走ることとなる。 左手に瀬戸内海を横に見ながら右には予讃線と並行して走る快適なドライブコースとなる。 やがて今治市内に入り、来島造船所の近代的なビルを通り過ぎるといよいよしまなみ海道に近づいてきたなと思ったところで、展望台という道路標識を目にした。 ひょっとすると来島海峡大橋を見渡す展望台かも知れないと思い、標識に沿って登っていくとやはり糸山展望台の駐車場に着いた。 また、この来島海峡大橋の入口に行くのか、サイクリストが自転車を漕いでらせん状の道路を登っていく。
 車を止めて5分ほど登るとりっぱな展望台があり、観光客が2~3人佇んでいた。そこからの眺めが下の写真である。
 巨大な橋桁の道路の上を車がスイスイと通っている。また橋桁の下を船が白い航路を残して通過していく。 晴れ渡った空の下、緑の島々を結ぶ巨大な橋桁の道路、それに青い海峡を見下ろしながらそよ風に吹かれているとまったりした気分になる。ゆっくり時間が流れている。 ずっとこのままのんびり過ごしていたい気分であるが、今日は神戸まで行かねばならないので、展望台を後にし、さっそくこのしまなみ海道を通過する。 さてしまなみ海道に入ろうと気が急かされていたせいか入り口を一度通り過ぎてしまって、再度入り口に並ぶもここで渋滞に巻き込まれる。 展望台からはあんなにスイスイ車が通過しているのに、連休のせいで急に渋滞になったのかと思いきや、ここの入り口は松山、今治市内、西条市からの3車線が合流しており、そのための渋滞であった。 まあ連休でこの天気であれば仕方がない。3車線から1車線への合流してやっと橋桁に来た付近から後は展望台から見たとおりスイスイと快適なドライブとなった。 この橋は道路の端が自転車道になっており、ヘルメットを付けたサイクリストやモーターバイクも通っていく。 さすがサイクリングの聖地だけのことはある。来島海峡大橋を過ぎると瀬戸内海の島の中では高速道路、そしてまた高架橋の連続であるが、ユニークな形をした多々羅大橋を過ぎたところにあるサービスエリアで昼食を取った。

来島海峡大橋

多々羅大橋
 お昼前であったので狭い食堂であったが、あまり待つこともなくタコ天ぷらのうどん昼食を味わった。 道路はやがて終点である尾道を通過し、そのまま進むと山陽道に変わっていった。後はずっと神戸に向けひたすら走る。
 夕方5時に神戸に着き、ホテルで家内と合流してすぐに高速道路に戻って、今度は東京に向けロングドライブとなる。
感想
 石鎚山の最高峰はあのとんがった天狗岳であった。 が、しかし弥山山頂の人混みの中で天狗岳に行く人は少なく、またあの狭い岩稜を恐々と通過するのを大勢の人から見られると思うとそこまで行く勇気は湧いてこなかった。 3つある鎖場を全て迂回してしまったが、年寄りには無理して事故になるよりはましという考えがよぎる。百名山もそんなに厳しく考える必要はなかろう。 とにかく剣山、石鎚山と四国の百名山を制覇したことに満足している。また道後温泉、しまなみ海道という観光もできて充実した平成・令和をまたぐ連休を楽しんだ。 自宅から四国でのロングドライブで、走行距離はなんと2,025kmであった。

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