石垣山(262m)
◆ 山行記録
山行概要
報告概要 一夜城で有名は石垣山に行ってきました。
山行日 2021年4月3日(土)
ヨロイズカファームにて
天気 晴れ、微風
企画 KMT
装備 5-6kg
同行者 Tさん、Kさん、Fさん、Mさん、Kさん、Uさん夫妻の総勢8名
コース
概要
入生田駅━石垣城━ヨロイズカファーム━TOTO小田原━早川駅

行動記録
【4/3(土)晴れ、微風】
自宅(7:45)==鶴川(8:06)+++小田原(9:22,9:30)+++入生田駅(9:41)

入生田駅(10:10)→石垣城(11:20,13:20)→ヨロイズカファーム(13:20,14:10)→TOTO小田原(15:10,15:40)→早川駅(16:00)

早川駅(16:07)+++小田原(16:10,16:21)+++鶴川(17:25)==自宅(17:40)

行程図

国土地理院の地図をもとに作成

天気図
【4/3(土)】 日の出 5:26, 日の入り 18:07  晴れ 21.3℃/12.2℃, 1.7m/s 南南東, 降雨量 0.0mm,
   
日本気象協会より転載 @小田原

◆ 山行資料
アプローチメモ
交通手段 ・小田急小田原線: 鶴川→小田原:     639円
・箱根登山線:   小田原→入生田:    230円
・JR東海道線:  早川→小田原:     147円
・小田急小田原線: 小田原→鶴川:     639円

◆ 日誌と写真
行動日誌
 KMTのメンバーも高齢化が進み体力がなくなったことと暇が出てきた連中が多くなったせいか、 幹事の方で山行の他ハインキングも企画してくれるようになり、今回は一夜城で有名な石垣山となった。 石垣山一夜城といえば豊臣秀吉が小田原北条氏を攻めるために一晩で城を作って敵を驚かせたことで有名なところである。 また秀吉と徳川家康がともに北条氏の小田原城を見下しておしっこしながら、 秀吉は家康に関東への移封を告げたと山岡荘八の小説「徳川家康」で読んだことを思い出した。
 また幹事によればヨロシヅカファーム一夜城という 有名なパティシエがやっているパティスリー(Patisserie ケーキ屋)・ブーランジェリー(boulangerie パン屋)があるというので、 今回はいつものように昼食カップラーメン、それにコンロを持っていくにはちょっと感じが違うなということで、 ザックには着替えを中心に、また電車の中の暇つぶしに読む本などを入れて行くこととした。 小田原ということで小田急1本で行けるのでのんびり出かけられる。
【4/3(土) 快晴、強風】
 集合場所は入生田駅(イリウタと読む)ということであるが、聞いたことがないが小田原から箱根登山鉄道に乗り換えて3つ目の駅であった。 桜の季節、電車の窓からも桜が望めたが、駅の線路沿いにりっぱな桜の木があり満開であった。

箱根登山鉄道入生田駅

駅前の桜の前で女性陣
 駅から出て箱根駅伝コースの国道1号線を横切って早川にかけられた太閤橋を渡ると右手に現代的な建物の地球博物館がある。 さらにアスファルトの道をそのまま登っていく。ずーとアスファルトのだらだらした登り道であるが、 ターンパイクを下に見ながら横切ったあたりから見晴らしが良くなり、明星ヶ岳から明神ヶ岳、金時山へと続く新緑の山並みが望めた。

杉林

箱根の稜線
 左手に大木が現れる。スダジイとのことだが初めて聞く名前であるが、昔はこのあたりによく生えていたそうである。 さらに進むと道路沿いに桜並木が出てきた。

スダジイの古木

道の両側には立派な桜
 満開の桜並木の下を歩くと心がウキウキしてくる。さらに進むと左手に一夜城、右手に赤い屋根のヨロイズカファームが見えてきた。

桜満開

青空と桜
 お昼までまだ時間がありたまたまちょうどガイドツアーがちょうど始まるところだったので、そのツアーに加わり石垣山を散策することにした。 ガイドの話を聞きながら城跡の散策をした。 定年退職したと思われる方がガイドであったが、相当に勉強したらしく一夜城にまつわる歴史を学説などを交えて解説していただいた。

石垣山城 南曲輪の石垣(城割り)

ガイドの説明を聞く
 時は天正18年(1590)4月、関東最大の勢力を誇る戦国大名小田原北条氏の本拠地である小田原城は、 全国統一を推し進める関白豊臣秀吉率いる諸大名の大軍に包囲される。
 小田原城の攻略にあたり、十分な兵糧・資金を用意して長期戦の構えで臨む秀吉は、 壮大な石垣山一夜城を築き、本営を湯本早雲寺(箱根町)から移動。淀殿や参陣諸将の女房衆を召し寄せ、 また千利休らの茶人や芸能者を呼ぶなど長陣の労を慰めた。

ガイドの案内についていく

二の丸跡にはりっぱな桜
 豊臣方の軍勢は水陸合わせて約22万。徳川家康らを先鋒とする秀吉の本隊は東海道、 前田利家・上杉景勝率いる北国勢が上野国(群馬県)から北条氏の領国に侵攻。長曾我部元親・九鬼嘉隆らの率いる水軍が 兵員・物資を搬送し、海上封鎖に従事した。
 これにより中世最大の規模を誇った小田原城には、約6万とも伝わる人々が籠り、 秀吉・徳川家康をはじめ織田信雄・蒲生氏郷・羽柴(豊臣)秀次・宇喜多秀家・池田輝政・堀秀政など、 名だたる戦国の英雄を迎え撃ち、3か月余りに及ぶ攻防戦が繰り広げた。
 小田原北条氏は、臣従を迫る豊臣秀吉と交渉を続ける一方、小田原城をはじめ諸城を強化し、総動員体制を整える。 特に、小田原城に城下の街ごと囲む全長9kmに及ぶ長大な総溝を構築し、決戦に備えていた。
 結果的に交渉は決裂。小田原北条氏は、国境線を固めるとともに小田原城に主力を投入、さらに領内100ヶ所以上に支城の防備を固めて防衛体制を整えた。
 小田原北条氏は、各地の諸城に籠って防戦し、機会を見て反撃に転じる作戦であったが、主力の籠る小田原城を封鎖されたまま 各地の支城を撃破され、次第に孤立していった。同年7月に至り北条氏直は城を出て降伏を申し入れ、自らの命と引き換えに、 籠城した一族・家臣や領民の除名を願い出る。この行動に秀吉は感嘆し、氏直の父氏政とその弟氏照には切腹を命ずるが、氏直の命は助け、 高野山への追放とした。ここに戦国大名小田原北条氏は滅亡した。
 この合戦の過程で、関東ばかりではなく伊達政宗ら東北の諸将も秀吉に臣従する。 この結果、天下統一の事業が達成され、小田原北条氏の滅亡とともに戦国時代も終わりを告げた。

ここから小田原城を眺めていたとか

シャガが咲き誇る本丸跡
 小1時間ほどの歴史散歩の後は昼食とスィーツが待っていた。 さてパンとかスィーツを求めにお店に入るとすでに10人ほどレジに並んでいる。 陳列棚にはどれも美味しそうなパンが並んでいたが、混んでいるので迷いながらも適当に選んで、代表の方を決めその人に並んでもらって買ってもらった。 そうこうしているうちにお客がどんどん来て店の外に長蛇の列が出来ていた。

パテシィエ一夜城

パンとビール、それにスィーツ
 テラスで青空の下、周りの桜やお花を見ながら、地ビールにパン、それにスイーツとこれまでのKMTでは考えられない優雅なランチであった。
 その後、ヨロイズカファームと呼ばれるちょっとした畑を散策。 ところどころに植えられた桜は満開、目の前には黄色い菜の花、その先に青い太平洋が望め、とても気持ちの良い場所であった。 そこには、川島なお美の碑が建てられていた。

  私は蝶となって 咲きみだれるお花から花へと舞い
  毎年咲く桜となって花ふぶきをお客様に散らし
  たわわに実る果実となってあなたの作品として美味しくお皿の上にのります
  
  美しく生き生きとしたファームガーデンは私の夢です
  その夢をかなえて下さい
  
  今までありがとう
  
  なお美より


春の花の包まれたメンバー

川島なおみの碑
 私の身体はワインでできているという言葉を残して早逝した女優であるが、このように海の見える丘の上で花に囲まれた碑を見ると 旦那パティシエの愛情を感じさせられますね。
 さてファームを離れて一路海岸に向けてぶらぶら下る。 同じくアスファルト道路であるが、両側の桜から時折風に吹かれて花びらがちらほら、それがまた情緒を感じさせる。 山の斜面はキンカンや夏みかん(湘南ゴールド)の畑、その中を海を見下ろしながら下る。 途中何度も小田原城方面を眺めるのであるが、なかなか城が見定めることができない。

またまた桜並木のアスファルト道を下ります

小田原市内と太平洋が望めます
 ようやく下りきってJR東海道線のガードをくぐり、駅に向かう。 少々疲れていたが駅を通り過ぎ、国道に出て道の駅を目指す。目的は海の幸、特に干物。

漁港の駅「TOTO小田原」

JR早川駅
 美味しそうな干物を買って、疲れた足を引きずりながら早川駅に到着したのであった。
感想
 このハイキング、計画発表された時は幹事とわたしだけ、おしゃれなスイーツをおっさん2人で「なんだかなぁ~」と気にしていたが、 その後幸いKMTの女性陣が加わってくれたおかげで春にふさわしい楽しいハイキングとなった。
 戦国時代の歴史のお勉強に加え、さすが有名なパティシエがいるお店で深い味わいがあるパン、それに一見マロングラッセのようなスイーツも程よい甘さでおいしかった。
秀吉も長期戦なので淀殿や千利休などを連れてきて、なかば物見遊山みたいな旅だったかと思うが、 平民の我々が桜の下で優雅にビールを呑みながら小田原城ならぬ太平洋を眺めて過ごす時代になっていてどう思うのかしら。 当時の武将も下級武士も大変だったな、と思う次第である。
 石垣山からの下りはアスファルト道路で時折車とすれ違うが、みかん畑の中をきらきら輝く青い相模湾を眺めながら、のんびり下っていくのが気持ちの良かった。 またお土産で買った干物を自宅でおいしくいただき、ハイキングの余韻に浸ることが出来た。

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