北海道・雌阿寒岳
◆ 山行記録
山行概要
報告概要 北海道の百名山である雌阿寒岳(1,535.8m)に行ってきました。
山行日 2015年8月14日(金)
七合目から雌阿寒岳山頂を望む
天気 うす曇り、微風
企画 個人企画
装備 3kg程度(日帰り装備)
同行者 単独行
コース
概要
雌阿寒岳温泉--七合目--雌阿寒岳温泉

行動記録
【8/13(木)曇り、微風】
緑清荘(14:00)==清里町駅(14:10)==雌阿寒岳温泉(16:00)
【8/14(金)曇り、微風】
雌阿寒岳温泉(4:50)--0:10--一合目(5:00)--0:17--二合目(5:17)--0:09--三合目(5:26)--0:17--四合目(5:43)--0:25--六合目(6:08) --0:07--七合目(6:15)--0:25--五合目(6:40)--0:20--雌阿寒岳温泉(7:00)
雌阿寒岳温泉(9:10)==足寄IC(10:00)==大沼公園IC(17:00)==函館駅(18:00,20:30)

行程図

天気図
【8/14(金)】 日の出 4:26, 日の入り 18:27, 曇り 20.0℃/16.5℃, 83%, 東 2m/s, 0.0mm
   
Yahoo!天気情報 過去の天気より転載 @釧路地方(釧路)

◆ 山行資料
アプローチメモ
駐車場 ・雌阿寒岳公共駐車場   無料
温泉 雌阿寒岳温泉野中温泉 日帰り入浴   ¥200

◆ 日誌と写真
行動日誌
【8/12(火) 晴れ、微風】
 さて清里町を出て車は最後の予定地である雌阿寒岳を目指す。途中川湯温泉を経由して弟子屈を目指す。 川湯温泉の付近で右手に異様な山容の火山がみえるが、アトサヌプリとのことであるがあまりなじみない。弟子屈でコンビニで今宵の食料を調達。 弟子屈から阿寒湖までは深い原始林を横断する道路を進む。途中双湖台という見晴らし台から、原始林に囲まれたパンケトー、ペンケトーの二湖が見える。 また双岳台というすばらしい見晴らし台もあって、そこからは雌阿寒岳らしい山容が望める。 いよいよあのでかい山を攻めるのかという思いが湧きおこると同時に、明日は登山した後は午後10時の函館港のフェリーに乗らなければならないので、その長い行程にちょっと不安を感じる。
 阿寒湖の観光地を通り過ぎて雌阿寒岳、オンネトーへ続く分岐で左折し、まっすぐな道を登っていくと雌阿寒岳温泉に到着する。

雌阿寒岳温泉公共駐車場

いろいろな看板がある登山口
 深い森林の中の道を経てやっと雌阿寒岳温泉に着く。野中温泉とオンネトー温泉景福の2件の温泉宿があり、どちらもあまり宿泊客が居そうもない。 公共駐車場にはキャンピングカーが1台、それに乗用車が1~2台といったところで、キャンピングカーの近くに車を止め、こちらも車中泊を決め込む。 車から下りてみるとやはりあたりはちょっと硫黄の臭い。雌阿寒岳は火山で規制しているが、ここ登山口付近ではこの硫黄のために失神してしまうのではないかと思うくらい臭いのきつい場所もある。 登山名簿をめくっていたら、斜里岳でご一緒したあのご夫婦の名前も記されていた。
【8/13(水) 晴れのち曇り、微風】
 さて今日は雌阿寒岳登頂、それから函館までの長距離ドライブを控えている。 ただ雌阿寒岳は七合目までしか登れないのでそんなに時間はかからないが、道東から函館までの延々のドライブもあるので、いつもどおり朝4時起きして早く出発した。 あたりはまだ静かで誰もいないかなと思ったら、雌阿寒岳登山口ではすでに4人組のパーティが登山届を出していた。 この四人組の後、私も登山届を出して朝もやの中、アカエゾマツの森林帯の道を登っていく。
 ここはきっちり一合目毎に道標があり、行程が分かりやすい。そのうちザレた沢筋を超え、四合目あたりから這松地帯となり、雌阿寒岳の山頂付近が望めるようになる。 また下界も開けてくるが残念ながら雲に覆われていて何も見えない。ほんとはオンネトーや阿寒湖が見えるはずであるが。 ただここでは熊は出そうにない。

火口周辺警報の看板

一合目

四合目

七合目の立入禁止テープ
 さて一合目から確認して登ってきたが、五合目の標識を見逃したのか、六合目を通り過ぎてそのうち七合目についた。 やはり登山道を遮るようにテープが張られている。また禁止の看板もある。あれ、私の前の4人組のパーティがいないということは、ここを通り過ぎて山頂に行ったのであろうか。 確かに、山頂までもうすぐであるが、やはり御嶽山の火山事故が頭によぎり、ここで規制を無視して立ち入り禁止に入って万一噴火した場合、大勢の人に迷惑を掛かるし、また無事生還しても非難されることは間違いない。 そこまでして、百名山かという気もする。七合目からの眺めは、下界は厚い雲に隠れて雲海しか楽しめなかった。

雲海しか見えない七合目からの眺め

野趣あふれる野中温泉
 残念ながら登ってきた道を引き返す。途中、駐車場のキャンピングカーで来ていた親子連れに会う。子供は元気だ。
 下りは休憩もなしに結局7時に登山口に帰ってきた。約2時間の山行で食事もとらずまた疲れもなかった。そこで朝7時から開いている野中温泉に入る。
 野中温泉がなんと200円。浴室に行くと年配のおじさんがこの朝早くひとり湯に浸かっていた。 板敷で木造りの浴槽、板敷で浴場によくあるカランや洗面台、鏡などはまったくなし、壁を通した樋から源泉のお湯があふれ流れ出ている。 ここでケロヨンの桶でお湯を汲んで板敷の床に膝ついて座って身体を洗うという感じである。 湯船にも樋から惜しげもなくお湯が注がれている。あ~のんびりするなぁ。身体が温まった後、開け放たれた窓から入る風が火照った身体に心地よい。 そのうちおじさんも出て行って、この野趣あふれる浴室を独り占め。湯船に浸かりながら、この北海道山行の成功を祝った。
 さて露天風呂に近い湯船から出て、この温泉宿のリビングルームでしばらくのんびりしていたら9時になった。 ほんとうは静かで爽やかな空気のところなのでもっとのんびりしていたかったが、やむなく車で函館に向けて出発した。 足寄で道の駅によって土産を買い込み、そこから道央道に入る。北海道の高速は、SAやPAといえども自動販売機しかない。 どっかで昼飯でも思っていたが、帯広を過ぎ夕張を過ぎてもPAやSAは自動販売機程度しかなく、結局室蘭を過ぎた有珠山SAでやっと食堂があり温かいうどんを食べることができた。 それで函館には6時過ぎには到着した。延々道東から函館まで思ったより早く到着できたのは、高速道路のお蔭である。 いくら北海道は車が少ないといっても高速道路にはかなわない。
 函館駅で帯広で分かれたJさんと合流し、飯を食って函館港に着いたら午後の8時、受付で確認したら予約した1本前の午後8時半出発のフェリーに無事乗船することができた。 お蔭で青森には午後12時頃に到着、そこから主にJさんの運転で東京をめざし、浦和には翌朝の9時頃、自宅にはお昼の12時前には到着した。
 車の走行距離を確認したらなんと3,100kmであった。
感想
 雌阿寒岳山頂から赤沼、青沼、それに阿寒富士を見たかったが、警戒レベル2で七合目までしか登山が許されない。 残念ながら七合目までなので、火山口の様子や阿寒富士も望めなかったが、大きな山容は感じることはできた。 深田久弥も雌阿寒岳には登れなかったようで、日本百名山には次のようにあった。

「雌阿寒岳は活火山で、私が昭和34年(1959年)の夏訪れた時はちょうど噴火が始まっていて、登山禁止になっていた。 両阿寒のうち登り易いのはこの雌阿寒岳の方で、距離が長い代りになだらかで、散策的登山ができる。 それに反して雄阿寒の方は、高さこそ劣れ、急峻なために登山者は稀である。両阿寒に登るつもりだった私は、雄阿寒だけで我慢せねばならなかった。」

昭和34年に噴火で登山禁止とのことであるが、今回は平成27年7月28日から警戒レベル2が発令されの入山規制となった。 もう少し早く来ておれば、という気もしたが残念である。
 もし御嶽山のように噴火して遭難したら、それにしても最近の日本は東日本大震災以降、火山も活発化している。御嶽も入山禁止、霧島山も新燃岳が入山禁止、百名山も山頂を制覇することが難しくなってきている。 雌阿寒岳は気軽に登れるので、いつか温泉旅行で北海道に来ることがあったら、再度挑戦してみたい。
 今年の4月には九州、そして8月に北海道の百名山をそれぞれ制覇してきたが、残念ながらあまり天候には恵まれず景色を楽しむことは出来なかった。 昨年の北海道はすべて景色が楽しむことができたが、去年の4座と今回の4座で北海道の百名山は利尻岳を残すのみとなった。 利尻、ちょっと距離的に遠いがいつか利尻、礼文の観光を兼ねて行ってみたいと思っている。

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