北海道・羅臼岳
◆ 山行記録
山行概要
報告概要 北海道最果て知床半島の最候峰である羅臼岳(2,052.8m)に行ってきました。
山行日 2015年8月12日(水)
北海道最果て知床半島の羅臼岳に立つ
天気 うす曇り、微風
企画 個人企画
装備 3kg程度(日帰り装備)
同行者 単独行
コース
概要
木下小屋<-->オホーツク展望台<-->弥三吉水<-->銀嶺水<-->大沢<-->羅臼平<-->羅臼岳

行動記録
【8/11(火)曇り時々晴れ、微風】
帯広(8:30)== 芽室帯広IC(9:00)==足寄IC(10:00)==陸別町==美幌町==小清水町==宇登呂(14:00)==岩尾別温泉(15:00)
【8/12(水)曇り、微風】
木下小屋(4:25)--0:32--オホーツク展望台(4:57)--0:40--弥三吉水(5:35)--0:40--仙人坂(6:12)--0:17--銀嶺水(6:29)--0:20--大沢入口(6:48) --0:40--羅臼平(7:28)--0:23--石清水(7:51)--0:37--羅臼岳(8:28, 8:35)--0:30--石清水(9:05)--0:12--羅臼平(9:17,9:25)--0:0--大沢(9:36) --熊遭遇(9:40,10:00)--1:30--木下小屋(11:30)

岩尾別温泉(11:40,14:00)==宇登呂(14:30)==清岳荘(16:00)

行程図

国土地理院地図より作成

天気図
【8/11(土)】 日の出 -:--, 日の入り --:--, 曇り 20.8℃/16.6℃, 79%, 南南東 3m/s, 0.0mm
   
【8/12(日)】 日の出 4:22, 日の入り 18:33, 曇り 21.1℃/18.2℃, 95%, 東 2m/s, 0.0mm
   
Yahoo!天気情報 過去の天気より転載 @網走地方(網走)

◆ 山行資料
アプローチメモ
交通手段 ・道央道       芽室IC→足寄IC:  ¥1,390
温泉 岩尾別温泉・ホテル地の涯 日帰り入浴   ¥800

◆ 日誌と写真
行動日誌
【8/11(火) 晴れ、微風】
 さて幌尻岳を無事制覇し、新冠町から帯広に来るまで車の中では高校野球を聞きながら来たが、時折北海道地方の豪雨のニュースが入り天気は一向にさえない。 まあ今回の北海道山行で最大の目的である幌尻岳を制覇できたので、残りの山は天候が悪くて登れなくってもまあいいか、という気がしてくる。
 帯広駅前のビジネスホテルで洗濯を済まして、帯広駅前で一応魚料理を食って早々に就寝した。翌朝起きて部屋の窓から外をみるとやはり空はどんより曇っていた。 ここ帯広から道東のウトロまで約260kmのロングドライブである。天候が悪い中かすかな望みをもって車を東に進める。
 道央道を快適に飛ばし足寄を抜け斜里に向かう51号線に入るとなんと雲もなくなり、青空も見え始めるではないですか。 日射しも出てきて車の少ない緑の中の道で、北海道らしく信号機待ちや都会の渋滞もない。お気に入りのCDを聞きながら心も軽やか快適なドライブとなる。 やっとオホーツク側の斜里町に出て斜里岳が見えるかな、とその方向を眺めるもあいにく雲に隠れていた。 斜里町を過ぎて知床半島に入ると青空と海が飛び込んでくる快適な海岸線の道路をひた走ると知床山脈が青々と見えてきた。 その中で一番高い羅臼岳がはっきり青空をバックにその堂々たる山容を現している。俄然やる気が湧いてくる。

足寄から陸別へ(国道242号線)

知床街道(国道334号線)、遠くに知床山脈
 やがて観光客でごった返すウトロの町並み(大きな道の駅がある)や知床自然センターを通り過ぎて、自然の中の岩尾別温泉に15:00過ぎに到着した。

岩尾別温泉に行く途中で羅臼岳を望む

「ホテル地の涯」前の駐車場
 岩尾別温泉には「ホテル地の涯」という凄い名前の温泉旅館があるが、その前の駐車場はホテル客専用ということで駐車できない。 駐車場にはあまり車は駐車していなが、ホテルの従業員が玄関から常に駐車場をチェックしている。またホテルの裏手に登山口となる木下小屋には駐車場はあるが5台分しかない。 ホテル前の駐車場からちょっと外れた草地には数台の駐車スペースがあり、ここは誰でも駐車できそうで、しばらく見ていると車が何台か入れ替わっている。 幸い出ていく車の後に空いた空き地に自分の車を入れ替わり駐車することができたので安心した。 よく登山口の駐車場は混んでいて、その分あぶれた車は駐車場に続く道路の脇に路上駐車せざるを得ない。 ここでも岩尾別温泉に続く道に数台が車が道路脇に駐車されていた。その分、登山口から遠ざかるのであるが。 ただ草地に駐車していてしばらくすると車が時々入れ変わっており、その理由がだんだん分かってきた。
 ここから5分ほど沢沿いを下ったところに自然の露天風呂があるらしく、下る道の入口に「三段の湯・滝見の湯」という小さな看板がある。 ここはホテルの敷地ではなく誰でも入ることができるので、ここで駐車してその露天風呂を求めて来ているようであった。もちろん中には羅臼岳に行く登山者の車もあるが。
 さっそくその天然の温泉の下見に行くと3つばかり林の中に岩で囲んだだけで簀子が置いてあるだけの露天風呂があった。 その一番奥の露天風呂では滝が見えるようになっているようなので、カメラを持ってそこに行くと小さな湯船に中年のおっさんと若い女性が2人で入っているではないか!! 見てはいけないものを見たようで、そそくさとその場を去ったが、確かに男湯、女湯もないので混浴なので問題ないとは思うが、こんなところで見せつけるとは。 まあ水着をきているものと思うが。駐車場に戻る途中、今度はホテルの宿泊客であろうかゆたかを着た若い女性や男女の外人さんグループなどが露天風呂に入りにやってきた。 そういえば以前、家族で知床に来たとき、この先のカムイワッカの湯、また羅臼では羅臼キャンプ場前にある露天風呂に入ったことを思い出した。 羅臼の方はちゃんと囲いがあり男湯と女湯があったので、水着は付けずに入ったが。。。
 駐車場に戻るとこんどはその日に羅臼岳から下りてきた山の服装をしたおっちゃんに出くわした。そこで山の様子を聞くと熊に出会って30分ほどその場で対峙していてその後熊が去って行ったと言う。 ほんまかいなと思うもやはり実際熊がいるんだ、ということで気が引き締まる。そしてそのおっさん、ホテルの日帰り温泉は800円、露天風呂はタダやから露天風呂に入ってくると足早に露天風呂の方に行った。 このおっさん、水着は持っているのであろうか?
 そのうちあたりは夕焼け色に迫り、ホテルの裏の山上には虹が出ていた。幌尻岳ではバテたので、明日の登りに備え早々に眠りにつく。

三段の湯・滝見の湯 まったくの露天風呂

夕焼け空にうっすらと虹が
【8/12(水) 晴れのち曇り、微風】
 早く寝たので3:00過ぎには目を覚まし4:00に起きて準備に取り掛かるが、昨日、羅臼に登ると言っていた隣に駐車している車の人はまだ起きてきそうもない。 天候は日差しはないが薄曇りでまずまずといったところ。朝飯にパンを1つ食べて、4:25頃岩尾別温泉駐車場を後にする。 木下小屋では2人組みが出発の準備をしていた。それを尻目に登山口に取りつく。

ホテル地の涯の裏にある木下小屋

あまり眺めが良くないオホーツク展望台
 しばらく樹林帯のゆるやかな登りであたりは熊笹が茂っている。今朝、一番早くこの山を登るのは自分となると、このヒグマの出そうな山で先頭を歩いているということは、まっさきに熊に出会ってしまうではないか。 ザックにはもちろん鈴、時々口笛を吹いたりまた変な声を出したりするが、樹林帯の見通しがあまりよくないところで熊にばったり出会ってしまうのではないかチョー緊張する。
 そのうちオホーツク展望台に着く頃になって年配の登山者が私を追い抜いて行った。次にマラニックなのかペットボトル1本手にした若者が速足で私を追い抜いて行った。

展望台がちょっと行った箇所からの展望

クマ出没注意の案内板
 オホーツク展望台までは樹林帯の中を順調に登っていき、振り返るとオホーツクの海も見渡せるところがあったが、あいにく低い雲が立ち込めていた。 単独行の方が追い抜いていったので、ちょっと気が楽になったが、展望台からしばらく行くと例の熊出没注意の看板に出会う。 いよいよクマ出没地域、ガイドブックによればこのあたりに蟻の巣があり、これを目指して熊が来るようだ。そう言われてみると、登山道に蟻がちょろちょろ這い回っているではないか。 こちらの防御策は鈴をザックに着けただけであったが、そうラジオを持ってきたのでラジオも鳴らす。 ただこのラジオ、性能が悪くて札幌付近の放送局の電波しか同調しないせいかガーガー雑音ばっかり。それでも無いよりはましということで、ラジオも鳴らしながら通過する。

弥三吉水

銀冷水
 ほどなくして弥三吉水に出る。登山道の脇にちょっとした広場になっており、小さな沢があり水が流れている。また簡易トイレもあった。
 その後、極楽平と呼ばれるなだらかな道を快調にとばすと、次に銀冷水の水場に着く。

大沢の雪渓

羅臼平に到着
 銀冷水を過ぎてほどなくして大沢に辿りつく。雪渓はだいぶ溶けて小さくなっているが、雪渓に足跡がついている。 ただ朝が早いせいか雪は半ば凍っているようで、踏み跡と違う場所に足を乗せると思わずちょろっと滑ってしまった。やはりアイゼンを持ってくるべきだった。車の中にはあるのに。 そこで安全を考え雪渓横のブッシュを行く。そこは踏み跡程度しかなく笹や這い松を分け分け枝につかまりながら登っていくこととなる。 ほどなくして雪渓を通り過ぎるとそこは高山植物が咲き乱れるお花畑であった。しばし花の写真を撮りながら登っていく。傾斜も緩くなったところで羅臼平に着いた。 羅臼平からは羅臼側が望めるのであるが、空には低い雲が立ち込めていた。遠くに国後の山々がかすかに望める。その稜線を辿っていくとひときわ高い三角形の稜線が望める。 北方領土内における最高峰、爺爺岳(ちゃちゃだけ)であるが、日本で外国の山が望めるのはここ羅臼岳だけではあるまいか。
 羅臼平は広いなだらかなところでテントも張れるスペースがあり、金属製の熊対策用食料ボックスもある。そこからは羅臼岳が真近に厳しく聳えたっている。

遠くに国後の山々が望める

羅臼岳からウトロ方面を望む
 羅臼平からは低い這松の中のなだらかな道を進む。途中、石清水と呼ばれる分岐に着く。 ここは水が岩から滴り落ちている箇所があったが、そこを通り過ぎるとだんだん道も岩が多くなって厳しくなる。 そして傾斜もきつくなり、また岩もだんだん大きくなり、黄色の印を丹念に沿って登らないことには危険な箇所に行きついてしまうので慎重になる。 特に羅臼岳山頂直下は、大きな岩を伝わっていくような感じでちょっと高度感の感じて緊張する。

羅臼岳から硫黄岳方面を望む

羅臼平に戻ると晴れてきた
 羅臼岳山頂からは知床半島の山々が望めたが、あいにくすっきりしない。真下に知床半島を横断する観光道路が見える。以前、家族で来たことを思い出す。 その時知床峠の駐車場からは羅臼岳が真近に見えていて、いつかは登ってみようと思っていたが、やっと実現できた。 また今回の山行で北海道の百名山、2つ目を制覇したことに喜びを感じる。

出ました。ヒグマ

ヒグマのため前後の登山者は立ち往生
 羅臼岳登頂を終え山頂から下るにつれ、太陽が出て暑くなる。眼前に知床山脈の三ッ峰、サシルイ岳、オッカバケ岳を経て、活火山で独特のするどい形の硫黄山もよく見える。 羅臼岳から硫黄山、カムイワッカへ下山するルートはいろいろ紹介されて一度は行ってみたい魅力的なコースであるが、テント泊、それにヒグマとの遭遇を考えるとこの歳ではもう無理というものである。
 羅臼平に戻ってくると羅臼岳を振り返ると青空をバックにゴツゴツした山頂が聳えているではないか。 しばらく羅臼岳でのんびりして大沢の雪渓を下る。朝、雪渓を行こうとして滑ったので、念のため脇道のブッシュを下る。 そうすると前の方から「熊がいるぞ~。」「鈴を鳴らすな。みんながおる雪渓の方に行け!」という大きな声がした。 それに声に従って雪渓の方に行くとそこには私を追い抜いて行った登山客が数人立ち止まっている。訳を行くと「ほら、そこに大きな熊がいるよ。」 ということで、その方向をみるとなんとでっかいヒグマがのんびり雪渓を見渡している。ちょうど私が下っていた脇道の先にいるのであった。 あの声がなかったら、まさしく熊に出くわしていたかと思うとぞ~とする。 そのヒグマの数m前にザックを担いだ登山者がヒグマに対峙していて、立ち往生している登山者に対し、「鈴を鳴らすな。」とか時折指示を出している。雪渓の下の方でも登ってくる登山客が道で立ち往生しているのが見える。 この状態がしばらく続いたので、カメラを取り出してヒグマを撮る。写真でもはっきりわかるくらい相当でかい。 ヒグマの方からは大勢の登山客が立ち往生しているのを見ていると思うが、ぜんぜん動じる様子がない。登山客を睥睨しているという感じである。 道からぜんぜん動きそうもなかったが、そのうちブッシュの中に入り込み、傍の木の先がヒグマが登っているせいか時折揺れている。 そういう状況が10分ほど続いたのか、雪渓の中でヒグマに対峙していた人から、「みんなで一緒に下ってこい。」との指示が飛ぶ。 結局、雪渓を下ろうとする登山客は総勢9名となり、その9名が一団となってその方のいる雪渓を下る。「熊と目をあわせるな。音を出すな。」との指示で我々わき目も振らず、ひたすらヒグマの横を通過する。 無事通過して下の登山客と話すると、雪渓で指示している方は地元の山岳ガイドということであった。どうりで、熊スプレーを片手に持ってヒグマと堂々と対峙しているのだ、と分かった。 またそのガイドから、これから下るのに鈴はどうします?と誰かが訪ねたら、「鳴らさない方がいいかも。」との返事だったとか、当方どちらにすべきか理解に苦しむ。 ここからは、ひとりよりも仲間と一緒に行動して下った方がよいので、皆んなで下っていく。 最初は5~6人のグループであったが、銀冷水で休憩する人もいて、そのうち札幌から来たおじさん、川崎から男女のカップル、それに私の4名のグループとなった。
 さてこのにわかパーティは、大沢、極楽坂を過ぎたところの例のヒグマ注意の看板があった危険地帯を通過することになって、いよいよおじさんはラジオを鳴らして先頭に、 次に男女のカップル、最後にわたしという順番で、男女のカップルは「ほーい」、「ほーい」とまるでお猿の駕籠屋みたいな掛け声を出し、またしんがりの私もガーガー雑音を発するラジオを鳴らして、木下小屋まで休みなしで一気にかけ下りた。 休憩なしにいっきに駆け下りたので疲れがピークに達し、登山口についてお互いの無事と健闘を分かち合った。
 さて皆と分かれて小生は汗臭い身体をとにかくさっぱりしたいのでまともな温泉に入ることにして、前日のおっさんのように露天風呂よりは、ここはやはり800円出して「ホテル地の涯」の日帰り温泉に入った。 ホテルの人から「露天風呂は混浴だよ、ただ今は誰もいないと思うよ。」ということで、やはり僻地の温泉風情を感じさせる。 さっそく湯船に入ると1人しかおらずほぼ独占状態、そこで露天風呂に行くもそこも誰もおらずここも独占状態。やはり無料の露天風呂と違って広々としている。 午後から晴れてきて青空の下、緑の中の心地よい温泉でほんとに寛げる。山登りの後の温泉も楽しみの一つである。
 さて風呂から上がり、ついでに汗臭い衣服の洗濯もした。コーラを呑みながら宿泊客など誰もいないロビーで洗濯が終わるのを待つ。 ホテルそのものは昭和の時代に建てられたのかその後もリニューアルもせず、山奥でひっそりと営業を続けているという感じであるが、そこが自然でいい。 そうこうして、やっとここ岩尾別温泉を出たのは2時近くになっていた。
感想
 さて東京に戻ってからしばらく北海道山行の余韻が残っていたので、ネットでいろいろ調べているとこんな新聞記事に出くわしました。

北海道新聞 8月16日
テントにクマ爪痕か 羅臼岳近くの野営場、けが人なし
 【斜里】13日夕、オホーツク管内斜里町と根室管内羅臼町にまたがる羅臼岳(1661メートル)の山頂から北東に約1・5キロの三ツ峰野営場で、無人のテントがクマの爪痕状に破れているのを、登山ガイドの男性が見つけ、下山後の15日夜、道警に通報した。
 斜里署によると、ガイドは客1人を連れて羅臼岳と硫黄山(1562メートル)を縦走中で、13日午後3時ごろ、登山道でヒグマ1頭と遭遇し、数時間立ち往生した。クマが立ち去った後、野営場に着くと、破れてポールが折れたテントを見つけた。 テントの持ち主は登山中で不在にしており、けがはなかった。

 なにしろ知床は世界で一番ヒグマが密集した地域ということで、200頭以上生息しているとのこと。
 深田久弥の百名山では、羅臼岳の頂上に立ったが霧に包まれて何も見えない、ただオホーツク側から巻き上げてくるすさまじい風の音を聞くだけであったとある。 確かに知床半島は両側が海であり、低気圧などが発生すると風がもろ山肌にぶつかる。今回は晴天ではなかったものの一応見晴らしもあったのでラッキーであった。
 知床は学生時代、羅臼側の相泊というところから知床岬まで海岸沿いを歩いて行ったことがある。 潮の干潮を狙って通過する箇所や崖を高巻きする箇所、それに岬の草原の中に立っている無人の灯台を登ったりして変化の富んだ旅であった。 そういえば、海岸でテントを張ろうとしたら、昆布を干しているのでやめてくれ、と言われたことを思い出した。羅臼昆布は高級品だもんね。 また岬からは小舟で知床岬の沖合で観光船に乗っけてもらうのであるが、それを待っている間、船頭は魚釣り、それこそ入れ食い状態でたちまち魚が鈴なりに釣れていた。 船頭曰く、自衛隊が弱いから北方領土が取り返せないな、とつぶやいていたことを思い出した。
 それから30年か40年経って、知床は世界遺産指定10周年ということで、知床自然センターやウトロの道の駅は観光客で大変賑わっていた。 知床自然センターでインターネットでは、例の熊スプレーが売っているとの書き込みがあったが、探してもそれらしいものはなかった。 また道の駅では教えてもらった海鮮丼はすでに売り切れ、混雑のためあまりレストランで食べる気がせず、車の中で残った山食料のパンをかじっていた。 ただこの人たちと違って、知床の大自然のふところに飛び込んで貴重な経験をしたことにちょっとした優越感を抱くのであった。 でも、あそこでヒグマに襲われていたらと思うとまさしくラッキーと思うと同時にとにかく無事下山したことに満足した。

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