~祖母山~
山行概要
報告概要 九州の百名山である祖母山(1,756m)に行ってきました。
山行日 2015年4月8日(水)~9日(木)
祖母山山頂にて
天気 曇り
企画 個人企画
装備 2-3kg程度(日帰り装備)
同行者 単独行
コース
概要
一ノ宮⇔北谷登山口⇔千間平⇔三県境⇔国観峠⇔九合目小屋⇔祖母山山頂
行動記録
【4/8(水)曇り、微風】
牧ノ戸峠駐車場(15:00)== 「花の温泉館」(16:00,16:30)== 神原の山中(17:00)
【4/9(木)雨のち曇りのち晴れ、微風】
神原の山中(11:30)==一宮(12:10)

一ノ宮(12:15)--0:30--北谷登山口(12:45)--0:11--一合目(12:56)--0:10--二合目(13:06)--0:12--三合目(13:18) --0:10--四合目(13:28)--0:11--千間平(13:39)--0:16--三県境(13:55)--0:04--六合目(13:59)--0:08--七合目(14:07) --0:08--国観峠(14:15)--0:07--八合目(14:22)--0:31--九合目小屋(14:53)--0:19--祖母山山頂(15:12,15:15) --0:19--九合目(15:34)--0:18--国観峠(15:52)--0:28--五合目(16:20)--0:37--北谷登山口(16:57)--0:23--一宮(17:20)
行程図

カシミールにより作成
天気図
【4/9(木)】 日の出 5:54, 日の入り 18:39  曇り、気温:15.1℃/10.1℃、湿度:78%、風:北 2m/s、降雨:0.0mm
  
Yahoo!天気情報 過去の天気より転載 @北部平野部(延岡)
山行情報
アプローチ ・国道11号線~国道40号線~国道41号線~国道8号線~国道218号線
・九州自動車道: 松橋IC→宮原SA→鹿児島北IC~中山IC
温泉 「花の温泉館」 日帰り入浴料  400円
◆ 日誌と写真
5
行動日誌
【4/8(水) 曇りのち晴れ】
 割と見晴らしの楽しめた九重山を後にして、牧ノ戸峠駐車場からやまなみハイウェイを南に走るが、温泉の看板を見かけたので、 車をその看板に沿って走らせる。それにしても民家があまりなく、それにコンビニやガソリンスタンドなどの気配もない。 ほどなく「花の温泉館」という場所に着いたが、なんか体育館みたいな建物で食堂と併設している。 駐車場にはあまり車が止まっておらず、ほんとに空いているのか心配になるが、日帰り温泉、400円と安い。産山村という場所であるが、村営なんかなあ。 とにかく山登りの汗を流すことにする。中に入るとおじさんが1人しかおらず、そのうち出て行って体育館みたいな広い湯船で一人になる。 風呂から上がり、食料やガソリンの買い出しをしなければならないが、温泉受付のおばちゃんに尋ねるとはたして、コンビニなんかないねえ、 またガソリンスタンドも一番近いところで車で20分ほどいった村役場の前にあるよとのこと。熊本から車を走らせてきたが、 大分県に入るとほんとに何もない。そういえば竹田市に近いこともあり、竹田の子守唄を思い出し、そういえば日本の寒村というイメージが湧き起こる。 ここの温泉の売店で食料といってもカップラーメン、それに水、それにお菓子程度であるが、コンビニがないのでとにかく調達する。 ガソリンも教えてもらったスタンドで入れないともしこんな山中でガソ欠なったらたいへんなので、とにかくガソリンスタンドに向かう。

 それこそおばちゃんひとりでやっている小さなスタンドでやっとガソリンも入れ、久しぶりの夕焼け空の中、次の目標である祖母山の登山口に向かう。 ナビに従って車を走らせるが対向車はほとんどなく、なんか心細くなる。途中、遠くの方に阿蘇山の根子岳と思われるギザギザした荒々しい岩山を見かけると、 ちょっとおとぎの世界で出てくる見知らぬ恐怖の土地に迷い込んだ気持ちになる。
 やっとのことで祖母山の登山口に近づき、「登山口」という看板を見かけたので、左折して田舎道を山の方に向かって入っていく。 祖母山の北谷登山口へは、インターネットでみると道が細い上未舗装で対向車がくるとすれ違いが困難とあった。 ここもだんだん道が細くなり、また未舗装とあったので、こんな感じかな、と思いつつどんどん奥に進んでいく。 そして、杉林の中の細い急な坂をアクセルを目いっぱい踏んで登っていくと、案の定行き止まりであった。 やはり道を間違えた、と思い車をUターンさせるとなんと左前輪が土に埋まり、空転する。
 この林道は車輪の幅だけしか舗装されてなく、また林道突き当りはそのまま土の広場になっている。あまり車が通った形跡はなく、 道には枝や枯葉が積もっていて滑りやすい。 とにかくタイヤがスタックしたのではUターンが出来ないので、車から降りてタイヤの下に木々を入れて脱出をはかるもぜんぜん抜け出せない。 タイヤの下に石を入れないと効き目がないので、ジャッキを取り出し、車を持ち上げってトライする。 そのジャッキも土に埋まるので、ジャッキの下にも石を敷いてトライする。泥だらけになって3回トライするも、そのうちあたりは暗くなり、また疲れてきたので、やむなくあきらめる。 翌朝、十分時間をかければ脱出できるだろう、と期待しつつも、この坂道でそれも泥土の中をUターンできるのか、不安にかられる。 ナビをみても、現在地がはっきりわからない。 携帯の地図も山の中はあまり詳しく描かれていないので、どこにいるのか分からない。 このまま車もろとも坂道で悪戦苦闘して遭難してしまうのか、と思うと食欲はまったくなく、車中泊ということもあり、なかなか寝付けない。 あたりは曇り空なのか暗くなってきた。唯一雨が降っていないのが救いであったが。。。。
【4/9(木) 曇りのち雨、微風】
 不安を抱いて心細い車中泊となってしまったが、案外寝てしまっていて翌朝6時ごろに目を覚ます。

登ってきた急な坂道

バックしようとするも・・・

おっとっと、もう少しで木に・・・

前輪はこんな感じだが
 車から出て、近くの沢から石をずいぶん拾っては、まずはジャッキの下に平らな石を敷き詰める。 その後、ジャッキで車を持ち上げてタイヤの下にこれまた石を敷き詰める。昨晩は枝や木々を置いたのであるが、これらはすべってまったく役にたたない。 石の方が確実である。前輪の左、右タイヤの脇も同じように石で固める。また後ろ側もコンクリート舗装との段差が大きいので、 これも石で段差をなくすように敷き詰める。これらの作業で約1時間も費やしたであろうか。 意を決して、またギアをDではなくセコンドにして車を動かすと、やっとタイヤが泥から抜け出した。 その後、ハンドルを切って方向転換しようとしたとき、左前タイヤが坂で滑り、思わず前の木に当たりそうになる。 車から降りて状況を確認するも車のバンパー部分がもう少しで気にぶつかりそう、またバックするにも後ろの木ですぐ迫っている。 ギャー、これ以上ドタバタすると今度はほんとに車を木にぶつけてしまうこと確実、万事休すである。
 それで携帯電話でレンタカー屋に電話する。事情を話すとレンタカー屋からロードサービス会社を紹介してもらう。 ロードサービス会社に電話すると、若い女性が出てきて、こちらの状況を説明するも事故ではないので、こちらの焦りをよそに基本料金やもろもろの条件など言いだし、 承認していただけるか、と落ち着いた声で話かけられる。この誰もいない山中では条件は呑むしかないだろうが、と頭にくるが、 ここは努めて冷静に助けを乞う。
 さて電話すると待つしかないが、1時間ほどで来ると言っていたので、やや安堵を覚えて飴でもなめながら待つ。そういえば朝飯は残ったパンを食べただけ。 さて1時間程してから、今度は若い兄ちゃんの声で電話がかかってきた。こちらの場所を伝えるもなかなか説明できない。 とにかく国道から北谷登山口に入る道を伝え、その登りで道をまちがえたんじゃないか、とこれまた不明確な返事しかできない。 相手も登山口を目指してきているようであるが、なかなか来る気配がない。そこで、登ってきた林道を下るので、その途中で出会うだろうということで電話を切る。 林道を下ってみると幸い軽トラックと地元の元木こりみたいなおじさんと出会う。こんなところで人に出会うとは思わなかったので、とにかくこちらの事情を話す。 林道の上でタイヤが埋まってロードサービスを読んでいるが、この場所が伝えられないと。そうするとそのおじさん、「ここは神原(こうら)というとこだが、 あんたは熊本県に行きたいのか、宮崎県に行きたいのか。」と聞く。そう言われても、東京の者にこの辺の地名を言われても全然わからないので、 とにかく祖母山の登山口に行くたいと伝えると、そういうことならば大分県の高千穂町の方だな、という返事。よく分からないがぜんぜん違うところにいるようだ。 それで、助けに来たロードサービスの兄ちゃんと直接電話で話してもらってやっと助けの車が現場に来た。それも4駆のパジェロだ。
 そこからパジェロに行って現場に向かう。その兄ちゃん、携帯電話を耳にひっかけ、イチロー選手みたいな感じで信用おけそう。 現場に着くと、こちらはパジェロにあるウインチでも使わないと抜け出せないかな、と思っていたが、そのイチロー選手に似た兄ちゃんはあたりをチェックして、 「車を傷つけてもいいか?」と尋ねる。傷つけてもいいか、と言われて嫌だとも言えずとにかく脱出したいので、「仕方ないですね。」と答えるしかない。 するとその兄ちゃん、車に乗り込み、「後ろを見ておいてくれ」といってとりあえず木のぎりぎりまでバックする。するとハンドブレーキを目一杯引き、 やおらハンドルを回してアクセルを踏む。前輪が坂道を滑るようにして、車の向きが変わる。そのうち林道にちょうど下向きの体制になり、 車を木々にぶつけることなく、Uターン出来た。イチロー兄ちゃん、車から降りてきて「これはちょっと素人にはマネできないからね。」と 涼しい顔でのたまう。やはりイチロー選手だと心の中で思いつつ「助かりました。ありがとうございます。」と答える。
 その後、パジェロは私のレンタカーと向い合わせとなったが、パジェロのUターンを気にすると、その兄ちゃん、大丈夫ですよ、ということで林道からはみ出て なんなくUターン、そうですよね、パジェロは泥道であろうが問題ないのは当たり前。しかし、そのハンドルさばきを見ていると、 ロードサービスの兄ちゃんはやはり悪路で訓練しているに違いない。
 さて、Uターンしたパジェロにくっついて山道を下っていく。途中お世話になった地元のオッチャンにも御礼をいい、登山口まで降りて、 そこでパジェロの兄ちゃんと分かれた。
 時刻は11時頃、この後何もないので、このまま山旅を終え観光するのもちょっと予定がないし、それに九州の百名山である祖母山を制覇せずに帰ってしまうのも癪なので、 やわら祖母山の北谷登山口に向かうこととする。天気予報では、天気が悪くなってくるので急ぐ。それで国道から北谷登山口への入り口にはりっぱな標識があるじゃないですか。 結局北からきたのでひとつ手前の林道に入ってしまったのであった。そこも祖母山の登山口には間違いないのではあるが、マイナーなルートであまり登山者はいないルートであった。 とにかく道路も含めて事前にしっかり準備しておかねばならない、と反省する。
  さて北谷登山口に目指して車を走らせるが、案の定未舗装の細い道となる。やはり対向車があるとすれ違いは困難。ただ坂道ではないでの、昨日の林道よりは楽である。 ただインターネット情報によれば、一ノ宮を過ぎるとさらに道が細くなると書いてあったので、登山口手前ではあるが、またまた車でトラブルを起こすのはこりごりなので、 一ノ宮で車を駐車し、北谷登山口まで歩くことにする。30分の道のり。

一ノ宮

北谷登山口

千間平

三県境(熊本県・大分県・宮崎県)

広々とした国観峠

祖母山頂(1756.4m)
 天気はだんだん悪くなる予報だし、朝に比べ雲が厚くなってきたように感じられるので、急いで登山口に向かう。 北谷登山口は広い駐車場があり、トイレや流し場もある立派な東屋もある。 そこまでの林道は、インターネットの書き込みにあるような狭い道でもなかった。迷い込んだ林道と比べるとりっぱな道路である。 ただ車1台の道幅しかないが。登山口について、時刻も12時44分と1時近くになっているので写真を撮ってそのまま山に取りつく。
 道はちょっとぬかるんだ土の道であるが、順調に登っていける。ここは山頂まで一合目から順番に道標が立っており、現在地点が分かり易い。 そんな急登ということもなく、そのうちちょっと開けた千間平というところに着く。そこから稜線でそんなに登りはきつくない。 三県境というところを過ぎる。 そういえば、熊本県、大分県、宮崎県の県境なので、朝の地元のおじさんが行っていた意味を実感する。 休まず登っていくとやや広い国観峠に着く。 ここでちょっと休憩。 この場所から祖母山が望めるようであるが周りはまったく望めず、ただ霧が出ていないだけましである。そこからやや登りがきつくなる。 途中合羽を着た老夫婦が降りてきて、初めて人に出会う。 向こうは下山、こちらはまだ登り。頂上は雨かな、と思いつつ、八合目を過ぎて林の中に立つ九合目小屋に着く。 小屋もそのまま通り過ぎて山頂に向かう。ここからは道が荒れていて、岩も出てくるが登りにくいというほどでもない。 そして15:12にやっと山頂に到達。 九州百名山の5座を制覇、ということでひとしお達成感を覚えるが、まったく見晴らしはない。 また北側からは冷たい風が下から吹き上げていた。 登ってきたコースは西側にあたり、この風が遮られていたのでほとんど無風、昨日あった富山の人が「あのコースは北谷登山口が正解ですよ」と言っていたことを思い出した。 さて頂上であるが小さな祠が2つほどあるだけ、祖母山が信仰の山であることを感じさせる。 そこで5分ほど写真を撮りながら休憩して、下山にとりかかる。
 下山は登ってきた道を引き返すだけであるが、天気が悪くなるので、これも休憩をとらずにひたすら下山、北谷登山口に戻ってきたのは16:57と5時前には到着。 そこから林道をひたすら歩いて17:20に一ノ宮に着いたとたん、雨が降り出した。 やれやれ、なんとか山に登ってきただけであるが、コースタイムで往復6時間のところ、5時間少々で戻る。昨晩から今日までの出来事を振り返るとやっと安堵を覚えた。 これで山行は終わり九州観光の予定なのであるが、温泉とか今晩の宿の予定もまったくなし、というか何も考えていなかった。 とにかくレンタカーは鹿児島で借りたので、鹿児島方面に戻ることとする。時刻は5時半。

 登山口入口をちょっと過ぎたところに三秀台という看板がある。 そにには日本アルプスを世界に紹介したウェストンの碑があるというので、そこに立ち寄る。 すでに夕方で薄暗いが、なんと桜が満開、ただ冷たい雨で外は寒くウェストンの碑の麓まで行かず案内板を見て車に引き返す。とにかく寒い。
 さて鹿児島まで遠いが、まずは晩飯なのであるが、あたりに食堂とかレストランといったものは全くなし。 民家もなし。ナビに従って車を走らせるも一応舗装道路であるが、なぜか山道の細い道路、対向車がくると擦れ違いに気を付けないといけない道ばかりで、せっかく山から下りてきたが、運転に気を遣う。 雨で暗いし、ほんとに九州はまだまだ山深いと思い知らされる。
 国道218号線で九州自動車道の松橋ICに近い美里町というところでファミレスを見かけ、やっと晩飯にありつける。 定番のハンバーグ定食を食べて、九州自動車道に向かうが今夜も車中泊か、と覚悟する。 外は雨。高速に入って最初の宮原SAで車中泊。
【4/10(金) 曇りのち雨、微風】
 翌朝、5時ごろ目覚めたが、やはり雨。ととにかく鹿児島に戻る。 桜島SAまで車を走らせて桜島を眺めながら朝食と行きたかったが、あいにく天気が悪く桜島は見えず。 というよりもこのSA、展望台もなくそっけない。
 さてレンタカー屋に車を返却期限が午後の4時なので、それまで観光できそうということで、 そういえば開聞岳であった親子連れが知覧の特攻平和館に行くようなことを言っていたことを思い出し、そこにいくこととした。 親父が戦時中飛行機乗りであったことや開聞岳が特攻隊のイメージと重なるので、せっかく鹿児島に来たので一目見ておこうと思った。 さて知覧に入り、飛行場をイメージしていたが、茶畑の中にこの知覧特攻記念館がある。 入場券を払ってまずホールでビデオ紹介があり、内容はこれまで聞いていたことをただ紹介しているだけであるが、やはりちょっと泣かされる。 館内にはこの知覧から飛び立った特攻隊員全員の写真、手記が展示されている。 特攻で殉死した1,036柱のうちここ知覧からは402名が飛び立ったとのことである。 とてもすべて読み切れないが、説明員の話を聞くのがてっとり早いし、実感がこもる。 まわりは修学旅行なのか高校生が多い。中には外国人の姿も見かける。 やはり若いものが命を懸けて飛び立つ心境に思いを馳せると、今のこの平和の時代をつくづく感じる。 この歳なってこうしてのんびり山登りをしている自分はなんて幸せなんだろう。
 さてこの記念館の駐車場で、泥で汚れた車をなるべくきれいにして返すことに専念する。 泥だらけだとあのレンタカー屋、山でのタイヤスタックのことを伝えたので、やはり車に傷をつけたとクレームを言い出すかもしれない。 それに登山靴も泥だらけだし、天気も上がってきたし、駐車場でちょっとお掃除タイムにした。 さて腹がへったので、知覧でちょっとしゃれた店構えの蕎麦屋に入ったが、この蕎麦が安くてうまかった。鹿児島は意外と蕎麦がうまい。
 海沿いの道を走って鹿児島市内に戻りレンタカー屋には、ガソリン満タンにして4時前に到着した。 係のおねぇさんが手続きに現れ、車をなめまわすように眺めたが結局おとがめなし、問題ありません、という返事で、何事もなくなんだか解放された気分になる。
 これでやっと予定したすべての山行はとにかく無事に済んだ。 さてこれからこのデカザックを担いでさっそく天文館通りの近くにある今晩のホテルに向かう。 天気は晴れてきて暑い。 デカザックを担いで満員の市電で移動し、ホテルについてさっそくコインラインドリーで洗濯、お風呂。 さてベットで横たわって携帯をいじくりまわしていると、天気予報では明日は晴れ、ということは、最後にもう一度開聞岳を拝めるかもしれないと思い、 さっそくネットで調べてみると鹿児島中央駅4:51発で開聞岳が望める西大山が6:26着、7:06発で鹿児島中央駅には8:51に帰ってこれる。 西大山で約30分か。やはり開聞岳の写真を撮りたい。ということで、今晩はこれにて打ち上げだ。
 ちょっと張り込んで寿司屋に入る。地元の魚の寿司とビール、焼酎で満足し、いざホテルに帰ってみるとカード類がない。 真っ青になって寿司屋に戻ったら、やはり床に落ちていた。 危ない、危ない。やはり一人旅は十分気をつけないと、これまた反省。明日は朝が早いので寝る。
【4/11(土) 曇りのち雨、微風】
 久しぶりにベットで熟睡したせいか、起きてみると4時1過ぎ。 もう歩いて鹿児島中央駅まで行けないので、ホテルでザックを預けタクシーで駅に向かう。 早朝ローカル線はやはり閑散としている。そういえば今日は土曜日なんだ。 またまたローカル線のひとり旅であるが、ホテルで入手した朝刊やウォークマンで1時間の長い電車を過ごす。 列車は指宿を過ぎだんだん開聞に近づいてきたが、西大山駅で降りるもあいにく開聞岳の頂上には雲がかかっていた。 やはり同じように開聞岳の写真を撮りに来たと思われる旅行者が約2名この無人駅に下りる。お互い写真を撮りあった。 ひとりはなんと札幌から来た若い女性。 次の登りの電車までまだ30分もあるが、何もすることなく、こちらは線路を渡って海岸方面に歩いてなにかないか海岸方面に歩いてみても畑が続くだけで何もない。 歩いている人もいない。朝の7時なので当然か。時折軽トラックが農作業に向かうのか通り過ぎる。 結局開聞岳はその雄姿を完全にみることが出来なかった。 帰りは明るい日差しの中、錦江湾を眺めながらゆったりとしたローカル電車の旅であったが、やはり退屈になってきた。
 さて鹿児島中央駅に着き、午前中時間があるので、駅から歩いて行ける「維新ふるさと館」に行く。 鹿児島といえば、司馬遼太郎の「飛ぶが如く」を思い出すが、ここは西郷隆盛と大久保利通を中心に展示されており、小説にあったことを展示で振り返ることが出来る。 特に実際の写真が展示されており、小説で登場していた人物の実際の写真があり興味を持った。 また西郷も大久保も身長が180cm程あったようで、当時の日本人としては長身でやはり目立っていたのであろう。 近代日本を作った偉大な人物には違いない。
 見学も終え、最後に駅のデパ地下で鹿児島ラーメンを食ってお土産のさつま揚げ、鹿児島焼酎を買って空港に向かう。 鹿児島空港のデッキから霧島山が望めるのであるが、やはり雲がかかっており、今回の山旅を象徴していたように思う。 ただ空港に向かうバスの中から桜島が山頂まで見え、小さな噴煙も見えたのが唯一の救いであった。

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