東京夢舞マラソン  2018年10月7日(日)
 またまた2年ぶりに夢舞マラソンである。
 昨年は会社のOB連中と那須の三斗小屋温泉ツアーに行っていたので参加できなかったが、もうフルマラソンに出場する気力はなくなっていた。ところが、7月頃いつもこの大会に一緒に参加しているH君からエントリー中というメールがきたので、たまには練習がてら参加しようと思い申し込んだ。しばらくして、日程が秋の三連休の中日という山登りには絶好の時期で、今年は百名山制覇の追い込みをしていることもあり、マラソンよりは山登りということで、その旨を誘ってくれたH君にも伝えたところ、彼も岡山の友人と一緒に参加するということであった。そこで、この三連休は吾妻山・磐梯山に行く計画を立てた。
 ところがなんと台風25号が日本に近づいており、三連休の天気は微妙になってきた。9月の三連休も台風のせいで台無しになったが、ほんとに今年はよりによって連休をめがけてやってくる。台風25号は日本海の上を通るコースとなり、関東は幸い天気がまあまあで、山はやはり晴れても風が強いとのことである。ということで、お天気次第の山屋である私としては、今回はこの夢舞マラソンに参加することとした。ただ、直前になって新入社員の頃勤務地で親しかった友人が急逝したとの知らせを受け、マラソン大会前日は彼のお通夜となった。やはり山に行っている場合ではなかった。

 さて当日、台風一過で東京は南風が入って気温30度を超す真夏日との天気予報のとおり朝から快晴で、会場である広大な広場の小松川公園に着くと朝から太陽が燦々と照り輝いている。この公園は初めて訪れたが東京の下町にこんなに広い公園があると知らなかった。周りはマンションだらけで下町と言っても新しい街のようだ。岡山の友人を待っている間も会場は広場の中で木陰はなく、テントの日陰に退避して待つ。

 ほどなくして岡山の友人が到着。連れは岡山の友人の方かなと思ったら、ついさっき浅草のバス停で知り合った地元の方とのこと。それからほどなくしてH君の岡山の友人も到着。受付を済ませて着替えスタートを待つ。今年は真っ赤なユニホームだ。

 

コース


大島小松川公園(スタート)→亀戸水神駅前→亀戸香取神社→押上駅→東京スカイツリー駅→入谷→上根岸公園→田端駅→飛鳥山→巣鴨駅→竹早公園→水道橋駅→神保町→和田倉門→八丁堀駅→月島もんじゃ→豊洲駅→木場公園→清州橋→荒川土手→大島小松川公園(フィニッシュ)

 スタートは50人ずつ1分おきにスタートしていくが、ゼッケンに記載されていたスタート時間では遅くなるので、その前の組に紛れてスタートする。しばらく荒川沿いの土手を走って、亀戸の街中に入る。この辺はよく分からないが途中で香取神社に着くとそこはスポーツの神様ということだそうだ。境内で一休みして走る。つぎにスカイツリーに向けて走ってそばを通って隅田川を渡る。鶯谷付近の上根岸公園で最初のエイド。ここまではみんなと着いていけるし、調子もまあまあである。そこからはだらだらとした坂道で急にペースが落ちる。日暮里、田端駅までは幾分平坦であったが、飛鳥山公園に向かう道はまただらだらとした坂になり、ぜんぜん信号もなく赤信号の休憩もないので初めて歩き出す。また喉も乾いて自動販売機で冷えたジュースを購入。暑さもありなかなか走る気になれない。時計を見ると12時頃になって、途中のコンビニH君と彼の友人がアイスキャンデーを食べて待っていてくれた。彼らはぜんぜん疲れてない様子。もう無視して行ってくれと伝えるも、次のコンビニで昼食を取ろうということになり、巣鴨の商店街になるコンビニで一緒に昼食をとった。ただあまり食欲もなく、この調子じゃとてもフルは完走できそうもない、また無理してフルを走ってもゴールに着くのが遅くなって迷惑になるとの思いに至る。どこでリタイヤすべきか、とにかく次のエイドである竹早公園まで彼らに着いて走った。今大会のエイドでは甘酒が提供されているが、通常の甘酒でなく腸内細菌によい乳酸菌たっぷりのスポーツ用甘酒という新製品とのことであるが、あまりおいしいものではない。エイドで地図を見てどこでリタイヤしようかと考えていると、リタイヤ用の地図も用意されていた。ここは22km付近であるが大勢のランナーが次から次と来るが、果たしてみんなゴールまで走るとは思えなかった。で、地図から25km地点を過ぎた神保町でリタイアするのが、新宿線で乗り換えなしにゴールの東大島に行けることが分かった。その先のコースは大手町、日比谷、八丁堀、月島などであるが、すでに前回の夢舞マラソンで経験済みで無理して走るまでもなかろうと思い至った。

 この大会は歩道を走る緩いマラソンではあるが、今日みたいに30度を超す 猛暑で無理することもなかろう、と思うも途中リタイヤで引け目を感じる。神保町の駅の階段をとぼとぼランニング姿で下りて駅のホームに出ると、ホームにはもう一人同じユニフォームを来たランナーがいた。電車は幸い空いていて座ることも出来た。東大島駅で降りると前の車両からは10名ほど団体でランナーがいるではないか。リタイヤすると目立ってしまうのではないかと思っていたがなぜか心強いというか、こういう参加でもぜんぜんOKな大会であることを改めて認識した。

さて駅からとぼとぼ歩いて公園に向かうも身体はすっかり元通りになってまったく疲れていない。ただゴールポストを通過すべきかと迷いながらコースを辿っていくとフルを終えたランナーがまさに息をきらしてテープを切ってゴールしている。この時間だと相当早いランナーで、また戻てくるランナーの間隔もまばらである。それに「お疲れ様〜」というアナウンサーの声はひときわ高くなっている。そのそばをリタイヤした僕がとぼとぼ走ってゴールに向かうも係員からテープカットするよう促されたが、さすが遠慮してゲートの端を申し訳なさそうに通過した。時計は2時半を指していた。

 ゴールするとまたあの甘酒、それにこの暑さで温まったビタミンドリンクがもらえたが、やはり冷たいジュースが欲しい。荷物を回収し早々に着替え公園端の自動販売機を目指してジュースを買いに行った。しかし一つ目の自動販売機は冷たいものはすべて売り切れあったかい缶コーヒーだけに緑ランプが点灯している。仕方なしに次に遠くの方にある自動販売機を目指してとぼとぼ歩いて向かうとほとんどのジュースに「準備中」のランプ点灯、ただひとつだけお茶のペットボトルが緑のランプで助かった。甘いジュースよりはもうお茶で結構。その冷たいお茶を飲みながらまたゴール付近に戻ってH君の帰りを待つ。

 ゴール付近に戻ると「マッサージ」の文字が目に映る。その側のテントの前のお姉さんに尋ねると無料でマッサージをやってもらえるということで、どうせ時間はまだたっぷりあるので、お世話になる。まずイスに座ってマッサージ師から肩をもんでもらう。ただ私はこれまで肩を凝ったことがないので揉んでもらうと少々痛い。次に隣にあるベットで腰を揉んでもらう。これには疲れた身体によく効いているのか非常に心地よい。15分くらいであったろうか、ひととおり揉んでもらった後マッサージ師から腰の筋肉が固いですね、慢性ですね、とのことであった。そうか、やはり腰の筋肉が相当凝っていることが分かった。またこうしてマッサージをしないと回復しないことを知る。

 さてマッサージを終え、しばらく横になりながらスマホでH君にショートメッセージで連絡するとまだ39km付近だ、とのこと。ちょっとこれまでの到着時間より遅いなと感じつつも時刻は4時を過ぎてしまったので、ゴール付近に移動すると彼がゴールしてきた。そして着替えのため荷物受け取りに移動するとテントの中で彼は急に倒れこんだ。両足痙攣だ。すぐに治るかなと思ったがしばらくテントの中の荷物置き場で横になってもがき苦しんでいた。近くに医者だという方がいて見てもらい、足をザックに乗せて寝かせることしかできなかった。そのうちテント場からなんとか出られてるようになるもまたまた芝生の上で倒れこんだ。再度痙攣である。今度はわき腹付近も痛いともがき苦しんでいる。そのうちH君の岡山の友人もゴールして戻ってきて二人でなんとか彼を介抱する。ぜんぜん回復する様子がないので、事務局に行って助けを求めると看護師さんが経口補水液とマグネシウムを持ってやってきた。これを飲ましてしばらく落ち着くもすぐにまた痙攣、岡山の友人と足を揉んでやるとだんだん回復の兆しが見えるも再度痙攣、彼もこんな経験は初めてということでちょっと大げさになってきた。ぜんぜん立つことも出来ない。そのうちあたりが暗くなって医者や看護師も引き上げると言うので、それならタクシーを呼ぼうとなった。まったく立ち上がれないので、どこから持ってきたのかリヤカーを運んできて彼をリヤカーに乗せ公園入口まで連れていく。大会事務局の大島会長も心配して、私から自宅までタクシーで 一緒に連れて帰るという話をしていたところ、とにかくリヤカーを返さないといけないので彼をリヤカーから引きずり下ろすとなんと彼はリヤカーの側で立っている。その内とぼとぼ歩けるようになり、駅までなんとか歩けるというので岡山の友人と二人で連れて行った。時刻は6時、あたりは夕暮れですっかり暗くなっていた。東大島駅のトイレでなんとか彼も着替えることが出来た。彼は8時の飛行機で岡山に帰る予定であるが、なんとか間に合いそうである。一緒に地下鉄に乗って痙攣が再発しないか様子をみていたが、なんとか回復したようだったので、羽田空港まで見送りに行かず途中の乗換駅で別れた。

 その後連絡するとなんとか8時半の飛行機に間に合ったようであった。 彼は私より確か2年後輩であるが、これまで何度もフルマラソン を走っておりタイムも早いエリートランナーである。ただ暑さ、それに年齢を甘くみていたのでないしょうか。都会のマラソン大会で、しかも 友人がいたのでこうして手助け出来たと思う。以前、会社の先輩と天城山に行ったとき、先輩のひとりが宿で風呂に入った後両足の痙攣でもがき苦しんでいたが、1時間程揉んでやっと立ち直ったことがある。その時は宿での出来事であったが、このような事態が山で起こったことを考えるとぞっとする。山登りでは無理せず、適当に頑張ろうと思った次第である。

 いやはや猛暑の中のマラソン大会、まだ東京都内の歩道を信号守って走るというのんびりしたレースだったので、練習に参加したという気分である。フルマラソンは改めてもう年かな、と思うこの頃である。せっかく岡山から来た後輩と銭湯に行ってレース後の呑み会が無かったことが残念であった。

【10/7(日)】 日の出 5:40, 日の入り 17:17  晴れ 32.3℃/25.1℃, 45%, 北西 3m/s, 降雨量 0.0mm,
   
Yahoo!天気情報 過去の天気より転載 @東京


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