韓国岳(1700m)

  • 報告概要
    霧島山の最高峰である韓国岳に登りました。
  • 山行日
    2023年4月26日(水)
  • 企 画
    個人企画
  • 装 備
    日帰り装備
  • 参加者
    単独行
  • コース概要
    韓国岳登山口→硫黄岳火口展望所→韓国岳山頂→硫黄岳火口展望所→韓国岳登山口


韓国岳山頂にて

行動記録

行程図

map
国土地理院地図より作成

■4月26日(水)

ホテル(8:40)---登山口(8:53)---三合目(9:34)---五合目(9:53,9:58)---韓国岳山頂(10:30,10:45)---硫黄岳火口展望所(11:26)---登山口(11:52)---ホテル(12:00)

天気図

■4/26(水) 日の出 5:36, 日の入り 18:53  晴一時曇り 22.5℃/13.1℃   9.7m/s 西北西 0.0mm

アプローチメモ

行動記録

 今年のゴールデンウィークは5月1日、2日を休めば4月29日から5月7日までのなんと9連休の大型連休となるが、リタイヤしたものにとってはあまり関係ない。ところでJALがスマイルキャンペーンと銘打って全国どこでも片道6,600円という破格のサービスをぶち上げ、この連休前の4月15日~21日の期間で利用が出来るという。これは連休とはあまり関係ないリタイヤにとってはありがたい話で、家内にそのことを伝えたら北海道は娘が一時暮らしていたこともありよく行ったが九州は学生時代に一度行ったきりなので九州に行きたいと言い出した。またこの間泊ったKKRがお気に入りということで、調べたら九州は熊本にしかないことが分かった。そこで、震災で被害に遭った熊本城の修復を応援する上も熊本観光旅行でもするかと家内に言うと指宿温泉って有名だけどそこも行ってみたいと言う。まあせっかく九州まで行くのに熊本だけというのももったいないので鹿児島も行くことにして格安チケットの購入に臨んだ。
 JALスマイルキャンペーンの予約開始当日熊本のチケットを求めてパソコンでアクセスする。このキャンペーン、JALは最初3月に実施したところ、予約開始と同時に応募が殺到してサーバーダウン、今回はそれにもめげず対策して実施するというのでわずかに期待したが、午前0時前にアクセスすると“1時間以上の待ち”との表示、30分ほどなんか変化がないか我慢して待っていたが一向に変化なし。やはり無理かと思いベッドに横になる。その後寝入ったがいつものように3時過ぎ尿意を催し目を覚まして、ついでにパソコン開いてアクセスとすると“10分待ち”との表示、しばらく待っていたところほどなくして予約画面に入れた。さっそく入力すると難なく予約できた。その時にカード決済も出来たのであるが、翌朝家内が心変わりしているかも知れないのでとりあえず予約だけは済ませた。朝起きてに家内に確認したらOKということで、早速カード決済の手続きも済ます。何しろ24時間以内に支払いを済ませないと予約は自動的にキャンセルされる。
 これで一応航空券は確保できたが今度は宿の予約、幸い家内お気に入りのKKR熊本はネットで難なく予約で来た。次に、指宿温泉と鹿児島の宿をどうするか、また現地での移動をどうするか悩む。家内は軽く熊本でレンタカー借りて鹿児島で返したらいいやんと言うが、まったくレンタカーを使ったことがない素人発想にあきれる。熊本と鹿児島がいったいどこのくらい離れているか、地図で100km以上よ、そんな距離の乗り捨ては高くつくよと丁寧に教えてあげた。
 そこで熊本はホテルが熊本城の前にあるので、レンタカーは借りずに徒歩で観光、そして熊本から新幹線で鹿児島に行き、そこから鹿児島空港にバスで行ってそこでレンタカーを借ることが東京に帰る日もわざわざ鹿児島駅からバスを使わずに済む最も効率的であるとの結論に至った。そこで鹿児島空港でレンタカーを借りてそれからどこに行くか、観光旅行ということであれば霧島温泉に1泊となるところであるが、そこからもう少し先に行って「えびの高原」のホテルを宿泊先に選んだ。というのは、実は以前九州百名山の旅で韓国岳を目指し鹿児島駅でレンタカーを借りて登山口である「えびの高原」に着いたとき、すでに夕暮れ、気温も低くあたりは深い霧が立ち込め、その中から瀟洒なホテルが霧の中に浮かび上がっていた。またそのレストランが外から丸見えで暖かそうな室内で宿泊客が夕食を優雅に食べている光景を思い出した。百名山ハンターにとって車中泊というのが当たり前だったので、いつかあんな風に優雅に飯でも食いたいと思ったものである。
 今回はそのあこがれのホテルを予約し、そこに1泊してから指宿温泉という行程にした。えびの高原のホテルは名前こそオシャレであるがもとは国民宿舎だったようで料金も以外に手頃な価格であった。ついでに指宿温泉も国民休暇村という所に決め、宿泊場所は平民に優しい公共的な宿となった。
 やっと全体計画はまとまったが、えびの高原に泊るのであれば前回何も見えなかった韓国岳に俄然挑戦したくなった。山登りにはまったく興味を示さない家内にどう伝えるか、幸いえびの高原からは往復3時間程度なので、高原を散歩するなり車で待ったりしたらということを伝えるとあっさり何の反発もなくホッとした。登山はリベンジなので当然お天気が悪ければパスして途中鹿児島の名所を経由して指宿温泉に行く。
 ということで、家内との九州旅行は始まった。

【4/26(水)曇りのち晴れ、微風】

 えびの高原の宿は国民宿舎ということであるが源泉垂れ流しの温泉であり食事も刺身あり肉あり、KKR熊本に劣らずも豪華であった。朝もビュッフェスタイルではないもののおかずが豊富で白いご飯が進む。ただお客は平日のせいか少ない。レストランのお兄ちゃんは連休のお天気のことを気にしていた。確かにコロナが明けて最初の大型連休であり、そこで雨に降られると営業上非常にまずいことになろう。こちらは韓国岳登山で本日の天気が非常に気になっていた。熊本に着いた時から曇りから午後には雨にたたられ、次の日は曇り空でなんとか雨には合わずに済んだが鹿児島に着いたときも曇り、ここに着いた時も高原は深い霧に包まれていた。朝起きて窓を開けるもあたりは霧、前回来た時も同様の霧の中で、さすが霧島というだけあるなと関心している場合ではない。せっかく登っても視界ゼロということであれば無駄な努力になってしまう。ただ天気予報は確実に回復基調で9時頃から晴れとある。
 山登りは本来朝早く出発するのが鉄則であるが、天気予報では遅くなるほど晴れとあるので、朝ごはんはいつもの時間どおりにしっかり食べ、部屋に戻って支度して8時半にホテルを出た。
 ホテルを出て道路を横切って登山道らしき道に入ったが、どうも高原散策の道らしく、えびの高原の広い駐車場に行くとはっきり韓国岳登山口の標識があった。


韓国岳登山口

岩だらけの登山道

道はしっかりしていて迷いそうもない。ただあたりは霧に包まれ視界は10mといったところか。そばに硫黄岳があるが硫黄の匂いが少々感じた。前回来た時このルートはこの硫黄ガスのせいで閉鎖されていた。


三合目

四合目

ただひたすらひとり、やはりお天気と平日のせいで百名山といえどもあまり登山客はいないのであろう、と思って歩いているとおじさん一人が下ってきた。山頂の様子を尋ねると視界はゼロ、それに風が強いとのこと。やっぱり期待できないのか。五合目に到着し、そこから展望が開けているようで、そこからの景色を描いた看板標識が建っていた。当然依然霧の中で、そばに立派な避難小屋もあった。


五合目

五合目避難小屋

今度は二人連れの登山者が下りてきたが、やはり視界はなし、風が強いとの報告であった。


六合目

七合目

今回も無駄足で終わるのかと思っていると高度が増すにつれなんだか辺りが幾分明るくなったような気がした。また風も少々出てきた。


八合目

九合目

九合目でなんと雲の間からお日様がうっすら望まれ、また霧も晴れてきたような感じ。そこからは外輪山の淵を歩いているせいか平らな道を歩いてしばらくして山頂への標識に出くわし、そこからまっすぐ10~20m程登ったところが韓国岳山頂であった。頭上は青空であるが、風が火口からの吹きあげもあり非常に強い。視界は雲海が見えるものの高千穂峰方面はガスがかかっている。山頂では新潟からやってきたカップルが風を避けて休んでいた。風が強いがあたりの雲が風下に流れていく。そのうち流れゆくガスの切れ間から雄大な景色が突如現れその出現に思わず感動。新潟から来たカップルも歓声をあげる。噴煙をあげる新燃岳、その先の高千穂峰も見えてきて写真撮影に俄然忙しくなる。


山頂に到着

雲海が広がっていました。

新燃岳と高千穂峰

霧に包まれてきました。

そこそこ写真撮影を終え家内を待たす訳にもいかないので、後ろ髪を引かれながらもカップルに別れを告げ下山する。
下山は登ってきた道をただ引き返すだけであるが、どんどん登山者が登ってくる。夫婦連れや若いグループ、また外国人も2~3パーティとこの人たちは晴れ渡った山頂でダイナミックな景色を楽しめるんだろうなと思うと、あの感動した風景がちゃんと写真に収められているか、またもう少し山頂で粘ったらもっとダイナミックは写真を撮れたんではないかとの思いがふつふつと湧いた。なんせあの強風の中なので、スマホやアクションカメラのセッティングなどしっかり確認する余裕はなかった。


硫黄岳火口展望所

登山道

登山口に下りてきて登山口の駐車場にはそこそこ車が止まっていてやはり百名山だなという気がした。霧はすでになくなっていてあたりは柔らかい陽ざしが出てきている。しかしながら韓国岳の方はあいかわらず雲がかかっていた。
予定通り12時前に下山し駐車場に行くと家内は車の中で寝ていた。


韓国岳登山口

泊ったホテルピコラナイえびの高原

さてこれからは家内の希望に任せて昼食や観光しながら指宿までドライブ。ホテルで優雅に昼食と思ったがお昼は営業してないとのことで、えびの高原にはその他にレストランはないので、早速山から下りることにした。山から下るにつれ、下界は晴れ渡っており気温も暑くなる。途中道の駅でだんごやパンを購入して社内で昼食を済ます。というのも朝ごはんを目一杯食べたこともあり、また今夕の宿でもフルコースの食事であろうことを考えると昼食は軽く済まそうということになった。

感 想

 前回の韓国岳は強風とガスの中で景気はまったく望めなかったが、今回はガスの切れ間からダイナミックな新燃岳、高千穂峰の景色を堪能することが出来、リベンジを果たすことが出来た。その後、指宿温泉では砂風呂を体験し翌日に開聞岳を眺めてきた。本当はここも登りたかったが、時間的余裕はなくまた家内から現地解散を宣言されそうだったのであきらめた。
 それにしても今回はJALが破格の割引セールをしてくれたおかげで格安で九州に行くことができた。また宿も公共的施設を利用したので安いとは思っていたが、なんと領収書を見ると全国旅行割が適用されているではないか。それに加えて、ワクチン接種証明書が必要であるが熊本でも鹿児島でも地域クーポンがひとりあたり2,000円ももらえた。そのおかげで孫たちへのお土産をはじめ、たくさん買い物をしたのであった。
 ということで、ふたりでも思ったより非常にお安く九州旅行をすることが出来た。しかし、これって出所は税金ということで、日頃こんな年寄りまで多額の税金を課すのかといささか不満を抱いていたが、少し取り返すことが出来たと思う。と同時に、コロナで致命的な打撃を受けた観光業界や地域経済の復興に少々貢献出来たかも知れない。