経ヶ岳(2296m)
経ヶ岳
行動記録
行程図
国土地理院地図より作成
■6月22日(水)
権兵衛峠登山口(9:22)---里見平(9:28)---アンテナピーク(10:00,10:10)---北沢山(11:00,11:10)---コイノコ(11:40)---日本中央分水嶺(12:13)---経ヶ岳西の肩(12:52,12:55)---経ヶ岳山頂(13:17,13:40)---経ヶ岳西の肩(13:49)---北沢山(15:17,15:20)---権兵衛峠登山口(16:33)
天気図
■7/10(月) 日の出 4:40, 日の入り 19:00 晴れ時々曇り 31.4℃/21.3℃/ 1.5m/s 南南西 0.0mm
気象庁過去の気象データより@長野県 辰野
アプローチメモ
行動記録
5月の連休は、伊那谷に住むN先輩宅に訪れて近場の山に行くのが恒例となってきている。今年は百名山の乗鞍岳に行こうかと思っていたが、あいにく5月の連休はまだ雪が多くてバスはまだ運行していない。そんなことをつらつら考えていると娘が帰国するというし、また庭の塀を直す作業も入ってきたりして連休中は自宅でのんびり過ごすこととした。そんなことをN先輩に報告したらササユリを見に伊那谷の経ヶ岳の登ろうという。それも7月10日の週が見頃というので、久しぶりほぼ1年ぶりに伊那谷に行くこととした。
経ヶ岳は、木曽山脈(中央アルプス)の北端に位置しており、南にある権兵衛峠によって分断されていて、まるで独立峰のような姿をしている。先輩宅に訪れるたびに目の前に大きく立ちはだかっているように見えて、登るのがしんどい割に山頂は木々に囲まれて景色は望めないということで、あまり興味が湧かなかった。ところが先輩によれば、権兵衛峠から新しく登山道が開かれ山頂へはずいぶん登り易くなった、山頂からの眺めもあるよとのことであった。麓の神社裏から登るのではないのであれば、ということでひとまず安心した。
7月9日の日曜日に中央道をゆっくりドライブして伊北ICを下りて、箕輪町の「ながたの湯」でゆっくり温泉に浸かってから先輩とはスーパーの駐車場で落ち合い、夕食の買い出しして先輩宅で前夜祭となり、久しぶりにお互いの山旅の報告などして旧交を温めた。
【7/10(月)晴れ時々曇り、微風】
ニュースでは九州の集中豪雨が大きく報じられ、また梅雨も明けていないので天気が気になったが、朝起きてみると陽ざしもあり、山の方は雲がかかっているものの天気予報では回復傾向ということなので朝はゆっくり8時半に出発した。
権兵衛峠は伊那谷と木曽谷の間にある峠であるが、以前はこの峠をとおる道路があったが権兵衛トンネルが出来てから、旧来の道路は廃れた。トンネルをくぐって木曽谷側の入口から旧道の道を登っていって権兵衛峠が経ヶ岳の登山口になる。峠はちょっとした広場になっていてトイレもある。また切り出した材木の整理なのか大型機械がうなりをあげていた。そういえば今日は月曜日、平日である。
駐車場には登山者と思われる車が1台、またほどなくしてツアー登山客なのか団体さんもやってきた。
登山口で先輩が旧道のゲートをくぐって道の山肌の笹原の中に咲いているササユリを教えてくれた。こちらはササユリの知識がまったくなく笹の花(そういう花もあるのか知らない)くらいのイメージしかなかったが確かに白いユリの花が笹原の中で1輪咲いていた。
登山道は笹原が刈り取られ、石ころもなく柔らかでとても歩きやすい道である。しばらすると右手に運搬用レールが出てくる。先輩によれば権兵衛トンネルの避難者を運ぶために作られたとのことである。そのレールの終点がトンネルからの非常口に当たるらしい。そのレールが見えなくなってしばらくするとマイクロ鉄塔が建っている広場に出た。標識によればアンテナピークということらしい。YAMAPの地図では岩の木平と表示されている場所を思われるが国土地理院地図にはなんの表記もない。
尾根道に出てアップダウンが続く登山道になり、岳見岩やまっくん(三兄弟)岩の目印となる岩などを過ぎたあたりから道端にロープで囲んだ中にユリの花が咲いているところどころに出てきた。中には花が咲いていなくて単に笹が伸びているだけの箇所をロープで囲んでいるところもあり、先輩によればそれもササユリの草だという。途中草刈り機を持ったおじさんが現れ、なんと先輩のお友達ということであった。彼が道の笹を刈ったり、ササユリの周りにロープを張ったりして整備している。ほぼボランティアということでほんとに頭が下がる。経て上り詰めていくと、樹林帯が開け左右に高山植物が群生するエリアに出ます。ササユリの群生が見事で、素敵でした。
さらに上り詰めていくと、樹林帯が開け左右にササユリが群生するエリアに出た。
ササユリの他にもアヤメ、アザミなどの高山植物が見られ、それこそ見事です。
お花畑野中の北沢山に到着した。しかしここで本日の行程の半分、ここからは高山植物はないそうで、ひたすら経ヶ岳山頂を目指すこととなる。
北沢山から登り坂は続きコイノコという場所に出た。そこから山頂まで一気に登ろうと思ったが中央分水嶺を過ぎたあたりから胸突き八丁、西の肩で休憩。そこからも森の中をひたすら急な坂を登って、やっとややなだらかな道となりしばらく進むと木に囲まれた経ヶ岳山頂に出た。時刻は1時を過ぎていた。さっそく昼飯を食べる。山頂は木に囲まれてはいるが枯れているので見晴らしはある。ただ残念ながら回りの山には雲がかかっていた。
遅い昼食を済ませ、早々に山頂を引き上げる。同じルートを下山するのでまたまた高山植物を楽しむことが出来る。
急な坂道を登ったせいか下山途中脚が攣りそうになってヒヤッとしたが何とか無事下山できた。下山での痙攣は昨年テント担いで塔ノ岳で経験しているので、心配でストックを十分効かせて下山した。
登山口には4時をとっくに回っていて、駐車場はHさんの車だけで材木整理の人も帰るところであった。あの団体さんは北沢山で引き返したらしい。我々もさっそく大芝の湯温泉に行って汗を流した。
感 想
経ヶ岳周辺には、木曽駒ヶ岳や空木岳など、登山客に人気の山がたくさんあることもあり、どちらかというと経ヶ岳はマイナーな山である。今回初めて登り、ササユリが見事であったのには感動した。ササユリの見頃は1週間くらいという。我々はちょうどベストな時期に登ったことになる。この時期を外すと単に樹林帯と笹の山道をひたすら登るだけということになろう。 高山植物が目的にするなら、この時期に狙って登るのが良い。登山客は少なくその分、自然を感じながら静かな環境で登山をしたいという人には、経ヶ岳はとてもおすすめできるコースである。それにしても登山道やササユリの保護をしているHさんには頭が下がる。